チリの家づくりブログ 〜WELLNESTなマイホーム計画〜

住宅業界のトップランナーと共に、「一生健康で快適でエコ」な家づくりを目指します

WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)で超高気密・高断熱住宅を建てるまでの記録です

【ハウスメーカー比較】その⑥:まとめ

こんにちは、チリです。
本日は2020年3月25日水曜日です。


さて、前回まで長々とウェルネストホームというほぼ無名のハウスメーカーと、一条工務店やスウェーデンハウスといった性能もよくブランド力も強いほぼ最強の大手ハウスメーカー、そして小林住宅という外断熱にこだわっている中堅ハウスメーカーと徹底的に比較してきました。


いかがだったでしょうか??


今回はその過去5回を振り返ってのまとめ記事です。


以下に比較した項目別の私の評価と総合評価(星五つが最高ランク)を示しておきます。
ただし、これは完全に主観に基づく評価ですので、ご参考までに。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
 ・一条工務店      ★★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★
2.換気システム
 ・一条工務店      ★★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★
3.防蟻対策
 ・一条工務店      ★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★
4.外装・内装の自由度(設計の自由度)
 ・一条工務店      ★
 ・スウェーデンハウス  ★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★
5.資材・建材へのこだわり
 ・一条工務店      ★★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★


総合評価
 ・一条工務店      ★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★


以下でこれまでの徹底比較シリーズの総説を書いていきましょう。


まず一つ目の「家の性能」についてです。


特記すべき点として、「家は、性能」とHPで掲げている一条工務店ですが、残念ながら気密性能はウェルネストホームや小林住宅と比べてもかなり劣ることがわかりました(とはいえ一般的な住宅と比べれば気密性は抜群ですが)。
そしてこれは、一条工務店はHRDというフィリピン工場で資材を一括製造してそれを日本国内で(一条工務店を通じて)販売することに専念している(だから断熱性能を高めることができた)ため、現場での施工レベル・施工技術を高めることによる気密性の確保には注力できないのだろう、ということでした。


しかし、これは何も一条工務店に限った話ではなく、大手ハウスメーカー全てで言えることだと思います。それでも断熱性や気密性が他の大手ハウスメーカーに比べて圧倒的に優れている一条工務店は本当に驚異的なハウスメーカーだと思います。


もちろん今回比較した3つのハウスメーカーはどれも日本の一般的な住宅(「獣宅」:山本順三氏命名)と比べれば高気密・高断熱ですが、その中でもウェルネストホームの断熱性・気密性は総合的に見れば群を抜いています。その性能で言うと、ドイツパッシブハウスと互角に渡り合えるほどだと思います⬇️

一条工務店も断熱性能(UA値0.25)だけみれば、HEAT20のG3レベル(Ⅵ地域でUA値0.26)を超えるレベルです⬇️
http://www.heat20.jp/members/data/2019/18-3_suzuki_sunagawa_nonaka.pdf
しかし、パッシブハウスレベルの気密性(C値0.2程度)はなく、私からすれば少し物足りなさを感じてしまいます。


次に、二つ目の「換気システム」についてです。


今回比較したハウスメーカーは全て高気密・高断熱な家づくりを志向しているため、みな第一種換気システムを採用していますが、その中でもウェルネストホームのみが「ダクトレス 」の換気システムを標準仕様として採用しています。
ダクト式のデメリット(設置するのが大掛かりで大変なことと、メンテナンスコストが高い)を考えれば、ダクトレスを選択するのが賢明かなという気がしています。


三つ目の「防蟻対策」に関しては、人体に有害な(可能性が高い)薬剤を資材に塗布したり、住宅周囲の土壌に散布している他の三つのハウスメーカーに比べれば、ウェルネストホームの「緑の柱」を使ったハウスガードシステムとホウ酸により防蟻処理された断熱材(セルロースファイバー)による防蟻対策は安心・安全で、かつ有効性も高いと私は判断しました。


四つ目の「外装・内装の自由度」に関しては、ツーバイ(2×6)工法や木質パネル工法で施工している一条工務店やスウェーデンハウスは実は設計の自由度が低く、小林住宅のNK工法やウェルネストホームの在来工法の方が設計の自由度が高いことがわかりました。とはいえ、しっかり構造計算をして耐震等級3を確保するためにはどこもある程度の設計の制限が設けられることは致し方ありません。
ただ、一条工務店の自社開発の製品しか使えないという自由度の低さは、正直に申し上げて自由設計と言ってはいけないレベルだと思います(失礼な言い方ですいません)。
スウェーデンハウスも外観や窓や間取りを含めて自由度は低そうですが、これはオシャレな北欧風の外観や内装を保つためにまだ許せるレベルだと思います。


五つ目の「資材・建材へのこだわり」に関しては、何と言っても一条工務店の「太陽光パネル+蓄電池」がすごすぎて、私も喉から手が出るほど欲しいシステムです。下手をすればこれだけで一条工務店を選ぶ人もいるのではないでしょうか?
ウェルネストホームも細かいところでのこだわりがたくさんあり、これに関しては徐々に当ブログでまとめていきたいと思っているところです。




ところで、私は一条工務店が自社HPでも掲げているように、家づくりにおいては「性能」が最も重要であると考えています。しかし、それが全てだとはもちろん思ってはいません。やはり、「住み心地(=快適性)」「使いやすさ(=利便性)」も考え抜かれた家づくりをしたいと考えています。


しかしこの快適性や利便性は、施主一人一人の主観的な評価となりますから、施主(住まい手)と深くかかわらなければ、具体的な提案などできません。そして、私は大手ハウスメーカーよりも、地元工務店などの方が施主と深く関わることができ、施主が求めるものをより具体的に提案できると思っています。
なぜなら、海外の大規模工場にほとんどの資材・建材の生産ラインを委ね、国内の営業マンはとにかく家を売ることしか考えていないような大手ハウスメーカーに比べれば、地元の工務店や小規模なハウスメーカーならより顧客と深く接する時間を取りやすく、一人一人にあった快適性や利便性を見出して追求していくことも可能だろうと思うからです。


例えばウェルネストホームで家を建てる場合には、すでに国内最高レベルの「家の性能」は担保されています。これはウェルネストホームを選んだ人たちが誇るべきことです。そして、あとは我々顧客にできることは、自分たちのライフスタイルに合った住み心地の良い(快適な)、使いやすい(利便性の高い)住まいにすることを考え、いかにそれを営業担当者や設計担当者に伝えていくか、ということだけです。
逆にいえば、ウェルネストホームのようなマイナーなハウスメーカーや地元の工務店からすれば、性能が高いだけではなく、顧客の要望を最大限に叶え、施主にとって快適で利便性の高いオンリーワン住宅を作ることこそが、大手ハウスメーカーに対抗して勝てるポイントだと思いますし、それをいかに戦略的にやっていくかがこれからの課題になってくると思います。


最後になりましたが、近年私のように子育て世代の若い人たちの中にも、「安全・安心・健康な住宅」に高い関心を持つ人が増えてきています。その中で、気密性・断熱性に優れた高性能な家づくりを志向する方々も増えてきているように思います。それは、高性能住宅を建てた施主ブログが増えてきていることからもわかります。
しかし、本当に「安全・安心」なものとは、やはり「生産者の顔が見える」ということです。例えば、”食”に関していえば、大手スーパーやデパ地下で売られている生産者の顔が見えない農薬だらけの果物や野菜よりも、地元のスーパーや直売所などで売られている生産者の名前も顔もわかるような”地産地消”の農作物の方が安心・安全と言えるのではないでしょうか?しかもそれが無農薬・無肥料栽培であればなお安全・安心だし、健康にも良いと言えるでしょう。


近年では木材生産者、製材業者、木材販売業者、大工・工務店、建築士など家づくりのプロたちが地域ごとにネットワークを組み、国産材や、その地域の自然素材を多用した家づくりを進める、「顔の見える家づくり」が活発に行われるようになってきています。
地域工務店こそ、顧客に木材の産地を見せ、製材乾燥加工の現場を見せ、工務店そのもの、そこで働く人たちを見せ、モデルハウスがあるならばそれを見せ、施工現場を見せ、完成住宅を見せる、安全で安心な「顔の見える家づくり」をぜひ志してやってもらいたいものです。私はその中でこそ、真の意味で「安心・安全・健康」な本物の家づくりが完成に向かっていくのだと確信しています。


だから私は決して「顔の見えない家づくり」をしている大手ハウスメーカーでは家を建てません。それは見栄えや形は良く、味も整ってはいるけれども、農薬が使われまくった遺伝子組み換え作物のようなものだと思うからです。
私はそのような不自然な食べ物は要らない、と思うと同時に、生産者の顔の見える安心・安全・健康な食べ物を選びたいと思います。


それと同様に、マイホームもできるだけ「顔の見える家づくり」を志して挑戦し続けているウェルネストホームのようなハウスメーカーを選びます。


それはもちろん自分のためでもありますが、将来の子どものため、さらには地球環境保全のためにもつながるのではないかと愚考しています。


また長くなりましたが、今回は以上です。