チリの家づくりブログ 〜WELLNESTなマイホーム計画〜

住宅業界のトップランナーと共に、「一生健康で快適でエコ」な家づくりを目指します

WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)で超高気密・高断熱住宅を建てるまでの記録です

【ハウスメーカー比較】その②:換気システム

こんにちは、チリです。
本日は2020年3月14日の土曜日です。


前回からウェルネストホームと、一条工務店・スウェーデンハウス・小林住宅という3つのハウスメーカーとの比較記事を書いています。
その一番の目的は、ウェルネストホームというハウスメーカーが、これらのハウスメーカーに引けを取らない家づくりをしていることを示すことです。
また、これから高気密高断熱の家づくりをしたい人のために、どのような基準でハウスメーカーや工務店を選ぶべきか、その指針をある程度示せたらと思っています。


これらのハウスメーカーと、ウェルネストホームとで私が徹底比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


前回は「家の性能」についてかなり詳しく比較してみました。
今回は、「換気システム」について比較したことを書いていきたいと思います。

2.換気システムの比較


換気についてはまた別の記事で詳しく書きたいと考えていますが、我が国では2003年に通称「シックハウス法」が施行されてからは、計画的換気が義務となっていることや、住宅の気密性が高まっていることから、機械換気による24時間換気システムが常識となっています。また、高性能の24時間機械換気システムを導入することは、田舎でも大気汚染が深刻になっている昨今では、当然のことと言って良いでしょう。
流石に「住宅は窓を開けて換気すること(=自然換気)が必要」などという考えを持っている人はもはやいないでしょう。
さらに言えば、以前の記事でも書いたように、「Indoor Air Quality:室内空気品質」を保つためにも、高気密・高断熱と換気システムはセットで考慮されなければならないのです。


ちなみに、一般的な住宅で採用されている換気システムには、主に第一種換気システム第三種換気システムがあります。換気システムの種類についてわからない方は、以下のサイトなどをご覧ください。


では換気システムとして、「第一種」と「第三種」とではどちらの方がベターなのでしょうか?


私の答えは、もちろん「第一種」です。


第三種換気システムは、外壁に穴が空いている部分から空気を機械(換気扇など)で強制的に捨て、同じ量の給気を(自然に)得る方法です。この換気システムの弱点は、夏は暑い空気が入ってくるし、冬は寒い空気が入ってくるので、エネルギー的にはかなりロスをするということです。これは、我々高気密高断熱のエコな家づくりを志向する者たちにとっては極めて大きな欠点です。


一方で、第一種換気システムは、給気時も排気時も機械でコントロールできるシステムであるため、暖かい空気と冷たい空気を機械の中で絡ませることによって、熱のロスをなくすことができます。


すなわち、高性能な省エネ・エコハウスを建てたいと考えるならば、第一種換気システムがベターであるということなのです。
特に、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)仕様にして補助金などを受けようとした場合には、第1種換気システムは必須ですから、そういう意味でも家の性能にこだわる人ならば第一種以外はあり得ないでしょう。
ちなみに、第一種換気システムを導入するなら、気密性能を示すC値は最低でも1以下、できれば0.5以下にしておくことが望ましいようです(以下の3つの記事参照)。


24時間換気はデメリットばかりなの?熱交換換気システムで省エネ健康な家 | WELLNEST HOME


ちなみに今回比較したハウスメーカーはいずれも高気密を謳っていることもあり、換気システムはみな「第一種」換気システムを採用しています。


それでは、各社の換気システムについて、以下で比較検討していきましょう。

一条工務店(i-smart)

・ダクト式第一種換気システム(全熱交換型セントラル)
・MAX社製のロスガード90
・熱交換率90%(*冬季暖房時、詳細は不明。なお、MAX社のHPでは、熱交換率は70-80%と記載されているが・・・??)
・湿度交換率71%(条件不明)

スウェーデンハウス

・ダクト式第一種換気システム(全熱交換型セントラル)
 *寒冷地ではダクト式第三種換気システムを導入
・パナソニック製の熱交換気ユニット(FY-75VB5A)を使用
・熱交換率70%以上(カタログ記載、給気風量が 強 75/78m3/h、弱55/50m3/h 時の値)
・湿度交換率:不明

小林住宅(ダブル断熱)

・ダクト式第一種換気システム(全熱交換型セントラル) 
・MAHBEX社製の澄家sumika
・澄家DCで熱交換率80%、DC-Sで90%(条件は不明)
・湿度交換率:不明

ウェルネストホーム

・ダクトレス第一種換気システム(全熱交換型デセントラル)
・ドイツインヴェンタ社製のヴェントサン
・温度交換率87%(風量20 m3/h 時)
・湿度交換率36%(風量20 m3/h 時)
*ドイツの試験機関「TUV」により、ドイツ工業規格DIN に準拠した試験を実施


以上が各社で採用されている換気システムとその性能の羅列です。


上記の通り、どのハウスメーカーも第一種換気システム(全熱交換型)を採用しており、一条工務店とスウェーデンハウスと小林住宅は「ダクト式」ウェルネストホームのみが「ダクトレス」を採用しています。
性能面では、スウェーデンハウスが使用しているパナソニックの換気システム以外は、どれも熱交換率が(パンフレットやHP上では)80%を超えており、高い換気性能を誇っていると考えられます。
しかしながら、その熱交換率が実際にどの条件の下での話なのか、その詳細が明記されてい他のは、私が調べた限りではスウェーデンハウスのパナソニック製品とウェルネストホームのヴェントサンのみであり、一条工務店に至ってはHP上での表記と、実際のメーカーの記載内容とが一致しないところがあり、正確な値ではない気がします。


ちなみに、「全熱交換型」が何かに関しては、以下の記事を参考にしてみてください(スティーベル社のサイトはかなり勉強になります)。


では、そもそも「ダクト式」「ダクトレス」ではどちらが良いのか??
これに関しては以下の記事を参考にしてみてください。


例えば、ダクト式である一条工務店のロスガード90の場合、消費電力68Wですから、25円/kWhと考えた場合、電気代は1,224円/月→14,688円/年になります。また、メーカー推奨の半年に一度フィルター交換ということを考えると、これにフィルター代が月々250円ほどかかってくることになります。さらに、メーカーとしては「ダクトは汚れない」と豪語していますが、実際にはダクト内が汚れたり、結露したり、カビが生えたりしないという保証はどこにもありません。そうなると、ダクトの清掃やメンテナンスが必要になり、天井裏や床下でかなり大掛かりな作業をしなければならないため、かなりの費用がかかってくるでしょう。これはダクト式の欠点であり、ダクト式を採用しているスウェーデンハウスでも小林住宅でも言えることです。ダクト式は「必ず汚れる」ということを述べている会社があったので、参考までに⬇️


上記のサイトの会社は、もしダクトにするのであれば、以下の記事にあるような極太のセンターダクト式の換気システムやウェルネストホームがオプションでやっているダクト内汚染を考慮したダクト式などを導入すべきと述べていますが、もちろんその分余分に費用がかかってきます。
ちなみに、ここの社長はダクトレスのことを批判しているようですが、ダクトレス換気システムの家を作ったことはあるのでしょうか??また、センターダクトを導入する費用はいくらくらいかかるのでしょう??相当高そうですが・・・。


一方で、ダクトレスであるウェルネストホームのヴェントサンの場合、1つにつき消費電力は3W。だいたい一軒で6個くらいが標準装備らしく、それでも20Wを切るくらい。電気代は年間5000円もかかりません。また、フィルターは洗えば何度も使用できるらしく、メンテナンスも非常に簡単(*ただし花粉用フィルターは高価)。
もし機械が完全に壊れても、外して入れ替えれば良いだけ。工事や機械自体の費用もダクト式に比べれば断然安いし簡単です。


ですから、私は第一種換気システムにするのであれば、「ダクトレス」の方がメンテナンス面やランニングコストの観点からも断然良いと考えています。


ただし、ウェルネストホームではいくつかのモデルハウスでダクト式の換気システムを採用しており、「クリーンルーム並みの空気環境(創業者談)」が手に入るらしいですが、今のところ、我が家にはそこまでは必要ないかな、というのが正直なところです。


また、加えて申し上げておくと、ウェルネストホームでは全熱交換型の換気システム以外にも、資材にこだわることで冬場の過乾燥を防ぐための方策が練られており、一年中加湿器なしでも湿度が40-50%を保つことが可能ですが、他のハウスメーカーではやはり冬場の過乾燥が問題になるようで、加湿器は必須のようです(以下ブログ、記事参照)⬇️



一条工務店では、このような「過乾燥」を防ぐために、パナソニックと共同研究という形でロスガードに加湿機能を持たせたバージョン(「うるケア」)も開発されているようですが、これはダクト内結露などが生じるリスクなどが新たに出てくると思われます(以下記事参照)⬇️



やはり、IAQ(Indoor Air Quality:室内空気品質)にとって重要な湿度は、基本的には機会に頼るのではなく、内壁や床材などの材質にこだわることで自然にコントロールできる、というのが望ましいと思います。


その点ではウェルネストホームの家は調湿性が高く、高気密・高断熱の性能をウリにしている他社と比べても一枚も二枚も上手であると感じています。


今回も長くなりましたので、一旦ここで切らせていただきます。