チリの家づくりブログ 〜WELLNESTなマイホーム計画〜

住宅業界のトップランナーと共に、「一生健康で快適でエコ」な家づくりを目指します

WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)で超高気密・高断熱住宅を建てるまでの記録です

【ハウスメーカー比較】その④:外装・内装

こんにちは、チリです。



さて、今回も前回に引き続きウェルネストホームと一条工務店・スウェーデンハウス・小林住宅という3つのハウスメーカーとの比較記事を書いていこうと思います。


以前の記事でも申し上げましたが、このような比較記事を書く主な目的は、他の性能の高さをウリに住宅販売しているハウスメーカーと比較することで、まだまだマイナーなウェルネストホームというハウスメーカーの性能の高さを多くの人に知ってもらいたいということと、これから家づくりを始める方にどんな基準でハウスメーカーを選べば良いかいついて、この比較記事を読むことで参考にしてもらいたいということです。


ハウスメーカーの営業担当者は決して自分の会社の都合の悪いことは言いません(そのように教育されている)から、私のような利害関係のない第三者が書く情報をぜひ参考にしてもらいたいと思っています。


ちなみに、これらのハウスメーカーとウェルネストホームとで、私が徹底比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


前回は3つ目の「防蟻対策」について、かなり詳しく比較してみました。
今回は比較シリーズ第4弾、4つ目の「外装・内装の自由度」からみていきたいと思います。

4.外装・内装の自由度

これは要するに、「設計の自由度はどうなのか」ということです。

一条工務店

一条工務店は、数ある大手ハウスメーカーの中でも設計の自由度が高い方ではないと思われます。


俗に言う「一条ルール」なるものがあるほどで、下記の6つのシリーズ毎に定められた規格・制限というものが存在し、あまりにもその制限が多岐にわたるため、一条の設計さんや営業さんでも把握し切れていないほどだそうです。
以下に一条工務店のシリーズの違い(コンセプト)を述べておきます(以下一条工務店公式HPより)。

・i-smart

「Smart for Design」
心から癒される住空間であるために。外壁や窓などのエクステリアから、キッチンなどの設備、ドアやフローリングなどのインテリアまで、住まいの隅々まで美しさと機能性の両立にこだわりました。業界最高レベルの快適性能に機能美をプラスしたスマートデザイン住宅。それが「アイ・スマート」です。

・i-cube

「シンプルモダンでかしこく省エネ」
キューブ型の外観デザインに、白を基調とした明るくスマートなインテリアが映える「i-cube」のシンプルモダンな家。業界トップレベルのエコ性能で上手に省エネ、かしこく節約してくれます。高性能でも、コストを抑えて建てられるから、いろんな夢が叶えられる住宅です。

・SAISON(セゾン)A type

「明るくカジュアルな欧風モダン」
スタイリッシュなのに、どこか温かさが感じられる「セゾンA」の住まいは、明るくカジュアルなヨーロピアンデザインが魅力。ナチュラル感のある素材でコーディネイトされたインテリアは、モダンな空間の演出にぴったりです。

・SAISON(セゾン)

「格調高いヨーロピアンスタイル」
無垢材をふんだんに使った上質な室内空間と、レンガタイル貼りの落ち着いた佇まい。一条の洋館「セゾン」は、格調高いヨーロピアンスタイルのデザインと素材にこだわった、本物志向の本格木造注文住宅です。重厚な雰囲気と木のぬくもりに包まれて、長く住むほどに満足感が深まります。

・Brillart(ブリアール)

「青空と太陽が似合う、南欧風の家」
ブラウン色のオールドテラコッタの瓦屋根に、白・黄色・ベージュ・オレンジなどの組み合わせでデザインされた外観が、プロバンスを思わせる南欧風の家「ブリアール」。木製デッキのアウトドアリビングや、バーベキューを楽しめる庭なども備えて、家族の明るい笑い声がよく似合う住まいです。

・百年

「和の伝統美と先進技術が融け合う」
床の間や雪見障子などのある本格的な和風住宅から、現代風にアレンジした和モダン住宅まで、日本の伝統美を活かした和の住まいを実現する「百年」の家。
伝統的なデザインと先進的なテクノロジーが融合して、風格ある佇まいの中に高い機能性を持たせました。時を経ても色あせない、年輪を楽しめる家です。


以上の6つが現在一条工務店で取り扱われているシリーズになります。


この中でたとえば、「i-Smart」というシリーズ(一条工務店の看板商品)では、下記のような一条ルールがあるそうです(以下記事参考)。


・窓の下にはコンセントは設置できない
・ロスガードは1階に設置できない
・室内側の窓枠は白、和室の窓枠は木目のみ
・照明を設置できない壁あり
・耐力壁の細かなルール


などなど。しかもこれはごく一部で、他にも山のような制限が設けられているそうです。

この中には、一条工務店の目指す性能の高い家づくりとはあまり関係ない制限などもあり、こだわりの強い顧客としては、細かい「一条ルール」は少し煩わしいと感じるかもしれません。


また、一条工務店施主ブロガーの方も「間取りの自由が利きにくい」ということを書かれているのを目にします(以下記事参照)。

ただし、これに関してはこの記事でも書かれている通り、「耐震性」などの家の性能を保つために間取りに制限がかかっている部分が大きく、これは家の性能を第一に考えている人にとっては許容できるものであると思います。


しかしながら、一条工務店の自由度が少し低いかも、と思ってしまう最大のポイントは、自分の気に入った住宅設備があった場合でも、一条工務店オリジナルの住宅設備以外は選べないという点です。
この点に関しては、一条工務店の施主で伝説的ブロガーであるさすけさんも言及されているので、気になる方は以下記事を参考にしてみてください⬇️

通常、ハウスメーカーや工務店で家を建てる場合には、キッチン、カップボード、洗面所、浴室、トイレなどの内装は、標準仕様が決まっている部分はあれど、大抵の場合各種メーカーから販売されている多数のキッチンや浴室のタイプから自分の気に入ったものを選択して取り付けてもらうことができます。システムキッチンやシステムバスであった場合、オプションでグレードアップも可能です。


しかし、一条工務店ではそのほとんどが一条工務店オリジナル品からしか選択することができません。オプションもかなり限定されたオプションからしか選べません。これはキッチンや浴室などにこだわりたい人からすれば、大きなデメリットです。


例えばi-smartであれば、標準仕様で外壁タイル、キッチン(スマートキッチン)、カップボード、浴室(スマートバス)、洗面台(リュクスドレッサー)、洋室・和室の仕様(ドアやフローリングや畳など)、階段、収納、などは全て一条工務店オリジナルの製品から選ばなければなりません(以下参考記事)。トイレや玄関まわりも仕様がほとんど決まっており、他社メーカーのものを自由に選ぶことはできません。

先ほどのさすけさんの記事でも取り上げられていましたが、もちろん希望すれば別の住設メーカーの仕様にすることもできるとのことですが、そのような仕様にすれば全てがオプション扱いになりかなり高くなるため、する人はほぼ皆無だということです。
すなわち、内装にこだわりがある人ほど、好きな仕様にすることができず妥協を強いられることになる可能性が高い、ということかもしれません。


これは自社グループの工場(フィリピン工場)で部品の80%を生産・組み立てをしているため、仕方ないといえば仕方ないことですが・・・。


以上が一条工務店の「内装」についてでしたが、一条工務店の「外装(外観)」に関しては、さらに制限がかかっているような気がします。
というのも、一条こだわりのハイドロテクトタイルの外観は白を基調としており、見た目には爽やかですが、どこの住宅もシリーズが同じなら似たような外観になる可能性が高いようです。実際に、私の今の自宅の近くや街中でも、外観から一条工務店の家だとわかることが多いです。
すなわち、外観デザインが単調で似たような外観になりやすいということでもあり、これは外観にこだわりの強いオンリーワンを求めたい人からすれば、極めて大きなマイナスポイントになるかもしれません。


これは過去に一条工務店で建てた施主さんも言及されています(拝借失礼します)⬇️

また、外観デザインが単調なことを一条工務店を止める理由の一つに挙げている方もいらっしゃるようです⬇️
https://www.to-ichi.online/entry/2018/10/13/一条工務店で家を建てない理由~私が感じたデメ


まとめると、一条工務店は内装も外装も仕様がある程度決まっており、人によっては単調に思えてしまうということです。


しかし、おそらく一条工務店を選ばれる方は、外装や内装の自由度よりも、一条工務店の家の性能に惹かれて選ばれているはずですから、妥協できるポイントではあるかもしれません。圧倒的な一条工務店の性能とその性能を前面に押し出した営業手法(AIDMAプロセス)はやはり多くの人を心をワシ掴みにしていると思います。


いずれにせよ、最初に書いたように一条工務店は数あるハウスメーカーの中でも設計の自由度は低い部類に入るのかな、という気がします。

スウェーデンハウス

私は個人的には、今回比較した4つのハウスメーカーの中では、スウェーデンハウスの外観や内装の雰囲気・仕様が最も好きです。


特に、あの北欧テイストの木造建築でカフェテリアのようなおしゃれな外観や、木の笠木とすり子の階段やオリジナルキッチンの雰囲気が、私はダントツでそそられます。
スウェーデンハウスのどの写真を見ても、「おしゃれだなあ、こんな家に住みたいなあ」としみじみ思ってしまいます。


ここで、スウェーデンハウスが展開している住宅シリーズについて見ておきましょう(以下スウェーデンハウス公式HPより)。


・GRAN(グラン)

<グラン>とはスウェーデン語で樅(もみ)。
不必要に飾り立てず、シンプルでありながら、がっしりと大地に根をおろすその姿が安らぎをもたらします。堅牢な住まい<GRAN>は、スウェーデンハウスの住哲学をもっとも忠実に伝えるプランです。

・ALM(アルム)

<アルム>とはスウェーデン語で楡(にれ)。
のびやかに天をつくダイナミックな大屋根のフォルムが、街並みにひときわ新鮮な印象を与えます。伝統のスウェーデンスタイル<ALM>は、個性を大切にし、変化に富んだ空間を叶えるプランです。

・BJORK(ビヨルク)

<ビヨルク>とはスウェーデン語で樺(かば)。
ゆとりある敷地に広がる平屋の佇まいは、しばしば「理想の住まい」と称されます。スウェーデンの人々をも魅了し続ける<ビヨルク>は、四季折々の草木の変化をもっとも身近に感じるプランです。


以上がスウェーデンハウスの(HPで紹介されている)住宅シリーズです。


どれも本当にオシャレで格好いいと思います!!


しかしながら、私からすればスウェーデンハウスの最大の長所と思える個性的な外観や内装などが欠点になる場合もあるようです。


良くも悪くもスウェーデンハウスの北欧テイストで個性的な外観は、個人の好みもあるでしょうし、建てる場所・地域によっては、他の住宅からも浮いて見えてしまうことも考えられます。


特に、上記シリーズの中でもアルムというシリーズは大屋根が特徴的で、遠くからでもすぐにわかるほどの存在感があります(以下画像参照)。

オシャレですね〜!!


しかし、このような北欧テイストの外観は、やはり似たような建物の多い北欧でこそ映えるというもの。建てる場所によっては、日本で建てられている他の多くの建物や周囲の風景ともマッチせず、建物だけが浮いて見えてしまう可能性があります。


また、この独特の外観に伴って、外構や内装にもかなり制限が出てきそうです。


まさか外構や内装を和風になどできないでしょうし、ある程度外観に合わせたコーディネートをする必要が出てきそうです。


そうなると外構や内装にもかなりこだわらざるを得ないことになり、スウェーデンハウス最大のデメリットである高額なこと(坪単価が高い)だけでなく、外構や家具やカーテンなどにも余計にお金がかかってくる可能性があります。
実際にそのことをスウェーデンハウスのデメリットとして指摘している施主さんもおられます(以下記事参照、拝借失礼いたします)。


さらに、窓に関しては自社製の木製窓が標準で決められており、選択の余地がないのですが、スウェーデンハウスの外観ともマッチしており、意匠性を考えれば他の窓を選べないことに不満を述べる施主さんはまずいないものと思われます⬇️
スウェーデンハウスでは他にも階段や玄関ドアや建具に関しても選択できないことが多いようですが、意匠性を考えれば仕方のないことでしょう。


このように、スウェーデンハウスは北欧テイストな独特の外観をしているため、自然と外構や内装もそれに合わせたものを揃えていく必要が出てくるので、自由度としてはどうしても低くなってしまいます。


しかし、それ以外の設計の自由度は他のハウスメーカーに比べてあまり変わらないと思います。トイレも風呂もキッチンも(もちろん標準仕様は定められていますが)、他社住設メーカーのものを自分で自由に決めることができます。


ですから、その外観や内装の雰囲気が気に入っている人であれば、あまりスウェーデンハウスの自由度の低さは気にならないと言えるでしょう。むしろそのような人にとっては、高性能で意匠性の高いオシャレな家に住めるという喜びの方が大きいと思われます。

小林住宅

小林住宅では標準仕様の外断熱シリーズで一番人気のSシリーズと、低価格帯のHシリーズ、そしてダブル断熱のWシリーズの3つがあります。


3つともおそらく外装・内装の設備設計の自由度はかなり高いと思われます。


SシリーズとWシリーズは標準仕様で耐震等級3であり、窓はエクセルシャノンのトリプル樹脂サッシ、さらに気密測定もやっており、設計間取りの制約はそれ相応にかかってくると思われますが、それは今回比較したハウスメーカーはいずれも同様の制限はかかってくるものと思われ・・・。


この自由度の高さから、私たち夫婦は「ウェルネストホーム以外で建てるなら、小林住宅やな」という話までしていたほどでした(実際妻はイニシャルコストの面から小林住宅に傾いていました)。


もし私が小林住宅で建てていれば、間違いなくダブル断熱のWシリーズを選択し、できれば外壁はタイル張り(LIXIL?)、床は無垢のフローリング、キッチン・トイレ・風呂などの水回りのグレードアップをした上で神谷のフルハイトドアを使用した家に仕上げていたと思います。
ただし、そうなってくるとやはりコスト面でかなりの増額になり、おそらく建物だけでウェルネストホームと同等かもしかしたらそれ以上の坪単価になりそうな気もします(実際にはわかりませんが・・・)。


しかしながら、以前の記事にも書かせていただきましたが、もし私がウェルネストホームの存在を知らなければ、断熱性能ではピカイチだけれど気密性能で劣る一条工務店ではなく、気密性能と断熱性能でバランスが取れており、なおかつ設計の自由度の高い小林住宅を選んでいたでしょう。


詳細に関してはわかりませんが、おそらく設計の自由度で言えば、ウェルネストホームよりも優っていると思われます。

ウェルネストホーム

今回比較した他社とは異なり、シリーズ展開などはありませんが、標準仕様の断熱材や断熱工法(外壁にロックウール社のレッドアートなど)があり、窓も標準は内付けのトリプル樹脂サッシで、かつ耐震性にも設計の段階からかなり気を使っているハウスメーカーなので、間取りの自由度は低い方だと思います。


実際に私たちも設計打ち合わせの段階で希望する間取りの提案をした時に「それはできるか構造計算してみないとわかりません」と返答されることが何度かありました。


しかしながら、家の性能とは関係のない部分での外装や内装の自由度としてはかなり高いと感じています。外壁もアルセコからレッドアートに変更されてからはタイル張りもできるようになり、レンガなど意匠性の高い外壁タイルを選択することが可能となりました。


もちろん小林住宅やスウェーデンハウスと同様に、キッチン・浴室・洗面台・トイレも各種住設メーカーから標準仕様品を選択することもできますし、オプションでグレードアップすることもできます。
さらに、家の性能に関わらなければ、キッチンや浴室を造作(オーダーメイド)に変更することも可能です。




以上、各ハウスメーカーの「外装・内装の自由度」すなわち設計の自由度についてみてきました。


ここで設計の自由度について順位をつけるとしたら、以下のようになるでしょうか??


小林住宅 > ウェルネストホーム > スウェーデンハウス >> 一条工務店


スウェーデンハウスの自由度の低さはあの意匠性の高い外観のことを考えると全然許せるレベルですが、やはり一条工務店の「一条オリジナル製品」しか選べない、というのは辛い・・・。


ですので、私の中では一条工務店の自由度の低さはダントツです。



いかがだったでしょうか??


今回は短くするつもりでしたが、結局長くなってしまったのでここまでにします。