チリの家づくりブログ 〜WELLNESTなマイホーム計画〜

住宅業界のトップランナーと共に、「一生健康で快適でエコ」な家づくりを目指します

WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)で超高気密・高断熱住宅を建てるまでの記録です

【我が家のこだわり】その③:電力の自給自足

こんにちは、チリです。
本日は2020年4月8日水曜日です。


さて、マイホームのこだわりシリーズ第三弾です。


私がマイホームを建てる時に、家の性能以外でこだわりたいことは主に以下の3点です。


①無垢床
②造作(オーダーメイド)
③電力の自給自足


このうち①無垢床と②造作に関しては、前回までにお話しました⬇️


今回は、最後の③電力の自給自足について書いてみようと思います。
今回はかなりディープな内容となっています。ですので、興味ある方のみどうぞ。


こだわり③:電力の自給自足

日本の電力事情は異常!? 〜上がり続ける電気料金〜

2011年の東電福島第一原発事故後、日本の電力事情はますます厳しさを増しています。2016年に電力が自由化されたとはいえ、電気料金は値下げされるどころか年々増え、これからも徐々に電気料金は値上げされていくことでしょう。


なぜ日本ではこのように電気料金が上がり続けているのでしょうか??
実はこれは問題が複雑に絡み合っていて、一概には言えないことです。
しかし、私が調べてわかったことについて一つずつ書いていきましょう。


・電気料金高騰の理由1:福島原発事故費用の国民負担

まさか、よもや「電気代が上がっているのは、大手電力各社が原発を止めているせいで燃料費が上がっているせいだ」などという東電や政府の主張を信じているアンポンタンな人間はこの世に存在しているはずがないと私は信じていますが、逆に原発事故処理のツケを我々一般市民が支払わされることになっていることをちゃんと理解している人はどれほどいらっしゃるでしょうか??


例えば、廃炉や賠償費用など、福島第一原発事故の処理費用が、2012年に試算した11兆円から、倍の21.5兆円に増えるという試算が2016年末に「東京電力改革・1F問題委員会」という非公式の会合で示されました。
そして、これを踏まえて政府は事故処理費用を国民の電気料金に上乗せすることを閣議決定しました。
これは、「日本に原子力発電所ができた66年から、事故が起きるまでの45年分をさかのぼり、“過去分”の賠償費用として、電気料金のうち“託送料金”と呼ばれる送電線使用料に上乗せして、2020年から40年かけて電力利用者から回収する」というものであり、消費者からしてみれば、40年前に食事をしたレストランから、『食事代が不足していたので負担してください』と、請求書が届くようなものです。


また、「日本経済研究センター」という日本国内のシンクタンクによれば、原発事故処理費用は約80兆円にまで膨れ上がる可能性のあることが示されています⬇️

この80兆円が全て我々の負担になるなどということは考えにくいですが、廃炉・汚染水費用や核燃料汚染物質を貯蔵する費用などをあわせると福島原発事故の処理分だけで、5,000億円以上。これらが我々の電気代に加算されるとなると、2020年以降は一般的な家庭で年額3,000円以上の上乗せになると試算している専門家もいます。
さらに、核燃料再処理費用や高速炉もんじゅの開発費用など原発全体にかかわる費用を合わせると、年間約6千円も電気料金に上乗せされることになるそうです。


ちなみに、2020年4月から託送料金中に新たに「賠償負担金」「廃炉円滑化負担金」という原子力発電由来の2つの負担金を上乗せされるようですが、これに関しての詳細が知りたい方は、以下の陳情書を読んでみてください⬇️
https://www.greencoop.or.jp/gcwp/wp-content/uploads/2019/04/190110_keizaisangyosho_chinjosho.pdf


さらに、“過去分”の賠償費用を上乗せされるのが、託送料金であることにも、大きな問題があります。


「託送料金」とは、電力を送配電することにかかる料金のことですが、そこにまったく関係のない賠償費用が上乗せされているのです。事故処理費用は、透明性が担保できる税金で徴収されるべきですが、そうはなっていないところが日本の異常なところです。
税金なら上げるにしても国会の承認が必要です。一方で、託送料金に上乗せする場合は、電力会社や経産省の裁量だけで自由に額を決定できます。


すなわち、最初は少しの値上げでも、原発事故の処理費用が増えた場合に、あとから国民が知らないところでこっそり上乗せされ、気づいたら電気料金が驚くほど上がる可能性があるということなのです。


このような国家ぐるみで大手電力会社が起こした事故処理費用を国民に押し付けるような理不尽で恐ろしい国で、大手電力会社から高い電力を買い続けたいと皆さんは思われますか??


私なら、少なくともPPS(大手電力会社以外の新規参入事業者)と契約し、大手電力会社からは電力を買うなどということは絶対にしません。
ちなみに、日本では2016年から電力が自由化になりましたが、”自由化”などというのは真っ赤なウソで、政府と大手電力会社が結託して、新規事業者(PPS)が参入しにくい形を作っています。
このあたりのこと、詳細を知りたい方は、元経産相官僚である古賀茂明氏の記事を読んでみてください⬇️

あと、ついでに言っておくと、電力自由化で問題になっているのが、送電線の空き容量の問題です。これに関しても偽の情報が出回っている(空き容量が足りない)ようなので、詳細に知りたい方は以下記事を参考にしてください⬇️

・電気料金高騰の理由2:FIT制度と再エネ賦課金制度

このことについては、また詳しいことは別記事にしたいと考えています。
簡単に言えば、FIT制度というのは、太陽光発電の余剰発電分を高価買取する制度で、再エネ賦課金制度というのは、大手電力会社が買い取った分の金額を各消費者の電気代に上乗せして支払わせるという制度です。


これは、明らかに金持ちに対する優遇制度であり、逆にビンボー人に対する締め付け制度です。これで損得が分かれるなどあってはならないことと私は考えています。


まあそれでも私はマイホームには太陽光パネルを載せますがね。


太陽光パネルを載せていない人達の中には、電気代が上がることに対する怒りを太陽光パネルを載せている人たちに向けている方々がいらっしゃるようです。


しかし、これは完全に「お門違い」であり、私から言わせれば愚かなことです。


恨むならこのような制度を作った政府官僚と大手電力会社の経営者たちを恨んでくださいね。


穿った見方をすれば、政府官僚はこのような制度を作ることで、太陽光パネルを載せている人間と載せていない人間をいがみ合わせるような意図もあったのかもしれませんが・・・。

”節電”から”自家発電”へ

私の予想では、日本はこれからも電気料金が上がり続けます。
そうなれば、電力会社から電力を購入している我々消費者の家計を圧迫することにもなりますし、節電していこうと考えるのは当然のことです。
しかし、節電とは言え、我慢するほどの節電をしろと言われてできる人はいないでしょう。節電にも限界はあるのです。


私は、真の節電とは、「高気密・高断熱住宅を作り、そもそもの家の燃費を抑えていくこと」であると考えています。
夏や冬にエアコンやヒーター、こたつや床暖房を常時使っていないと部屋の温度環境が保てないような性能の悪い家だとどうしても燃費は悪くなってしまいます。燃費を良くするためには、できるだけ上記家電を使用しなくても常に部屋の温度環境が快適に保てる性能の高い家では燃費が良くなり、自然と電力購入も必要なくなってきます。


例えば大企業や大病院などは自家発電設備をもっており、自分で発電することができます。ボイラーやエンジンがあって、何日間も使えるだけの重油が置いてあったりするところもあります。必要なときにそれらを使っていけば、電気が足りなくなるということはないでしょう。

そして発電したものを自家消費する

私の最終ゴールは、電力の「完全自給自足」です。


大容量の太陽光パネルで電力を生み出す(発電)だけではダメです。
発電して使い切れなかった余剰の電力を蓄積すること(蓄電)が必要です。


そのためにも性能の高い大容量の蓄電池が絶対に必要です。
あと10年もすれば、高性能の蓄電池が日本国内でも製造・使用できるようになっていくでしょう。


この時期が私は狙い目だと思います。


今はとりあえず必要最低限(4〜5kWくらい)のソーラーパネルを屋根に載せておいて、昼は太陽光で生み出した電力を消費し、余剰分は売電、夜間のみ電力をPPSの会社から購入して生活する。
あるいは、自分が日常的に使用する車を電気自動車に購入し直し、V to H仕様にしておく。


10年後くらいに高性能な蓄電池ともう少し高性能で容量の大きい太陽光パネルを搭載し、完全に電力を自給自足する。


これが私が思い描いている将来像です。


マイホームで完全に電力を自給自足、という夢を叶えるために私は日々努力したいと思います。そしてそのマインドが電力の”地産地消”につながり、地域での経済活動も活性化していける秘訣であると私は確信しています。


なお、今回の私の記事に関連することとして、慶応大経済学部の金子勝教授がYoutubeで大変わかりやすい動画をアップされていたのでここでシェアさせていただきます。
興味ある方はぜひご視聴ください!!⬇️

【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230