チリの家づくりブログ 〜WELLNESTなマイホーム計画〜

住宅業界のトップランナーと共に、「一生健康で快適でエコ」な家づくりを目指します

WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)で超高気密・高断熱住宅を建てるまでの記録です

【ハウスメーカー比較】その③:防蟻対策

みなさんこんにちは、チリです。
本日は2020年3月17日火曜です。



さて、今回も前回に引き続きウェルネストホームと一条工務店・スウェーデンハウス・小林住宅という3つのハウスメーカーとの比較記事を書いていこうと思います。
これらのハウスメーカーとウェルネストホームとで、私が徹底比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


前々回は1つ目の「家の性能」について、前回は2つ目の「換気システム」について、かなり詳しく比較してみました。
今回は比較シリーズ第三弾、3つ目の「防蟻対策」からみていきたいと思います。
それぞれ今回私なりにかなり詳しく調べました。だいたい標準仕様でされている内容について網羅できたんではないかと思いますが、間違っていたらすみません。


それでは早速以下で比較していきましょう!!

3.防腐・防蟻対策

防蟻対策は安全性と有効性はどうなのか、という2点に尽きると思います。
あとは保証はどうなっているのかについて比較させていただきました。

一条工務店

・安全性・有効性

一条工務店の防蟻対策に関しては、HPを読んでもかろうじてACQ加圧注入した柱が使用されていることはわかりますが、他は「適材適所の防腐・防蟻対策」と書かれているのみで、ACQ以外にはどんな薬剤がどこにどのくらい使用されているのか、あるいはその薬剤の安全性や有効性に関する情報が全く出てこず、要領を得ない書き方になっています⬇️


この一条工務店の防蟻処理に関しては、伝説の一条工務店施主ブロガーである「さすけ」さんがかなり詳細に書いていらっしゃるので、気になる方はその記事を読んでください⬇️


このさすけさんの記事によれば、一条工務店ではウェルネストホームでも採用しているACQ処理(加圧注入)された柱を今でも使用してはいますが、施工数の増加に伴って木材調達が難しくなり、徐々にACQ加圧注入していない木材が使用されるようになり、そのために別の薬剤(アリピレスやニッソーコート)塗布が必要になってしまったとのことでした。
これは、コシイプレザービング社のACQ処理木材(通称「緑の柱」)が、天然乾燥木材を使用していることからも当然の成り行きだと思われます(天然乾燥は時間がかかる)。


しかし、さすけさんも記事内で指摘している通り、一条工務店のHPをみると、そのようなことはどこにも書かれておらず、読む人によれば、安全性と効果の高いACQ処理で防蟻対策はバッチリ!という風に受け取ってしまう書き方がされています⬇️


さらに、これもさすけさんが指摘されている通り、一条工務店の建築資材である木材や断熱材に使用されているACQ以外の薬剤(アリピレスやニッソーコート)は、ACQよりも有害性の高い薬剤であり、防蟻効果もACQ加圧注入のものほど長持ちするわけではありません。


これは詐欺とまでは言わないまでも、やはり顧客・施主と真摯に向き合った態度ではないような気はします。


「ACQ加圧注入より安全性も低く、防腐・防蟻効果も劣る薬剤を使用していることは都合の悪い情報だしユーザーには黙っておこう。どうせ詳しく調べなければバレないしわからないことだ」


とタカをくくっている企業の思惑が透けて見えます。
そして、さすけさんの記事でも取り上げられていたように、疑問に思った施主さんが営業の方に聞いてもきちんと答えてくれない、説明してくれないという状態だそうです。


ただし、一条工務店はそれ以外にメリットがたくさんあるため、防蟻対策の不手際のみでそこまで過敏になる必要はないかもしれませんし、今はかなり改善されて、施主が聞けば丁寧に答えてくれるのかもしれませんが・・・。

・保証

メーカー保証期間10年


スウェーデンハウス

・安全性・有効性

スウェーデンハウスの構造材は、JAS(日本農業規格)の含水率基準である19%以下を大きく下回る、概ね15%以下に保たれており、構造躯体の劣化を抑え木材強度も高い状態を確保できるとのことです。含水率が低ければ、温暖多湿を好み乾燥を嫌うシロアリによる食害のリスクが低くなる、とされています。
しかし、もちろんそれだけでシロアリ被害がなくなるわけではなく、スウェーデンハウスでは土壌と木材の双方に防蟻対策が施されています。


まずは、土壌の防蟻処理についてです。


これは基礎の土壌に噴霧器やジョーロなどで「タケロック(大阪ガスケミカル社製)」という薬剤を散布するそうです(以下参考記事⬇️)。

ちなみに「タケロック(大阪ガスケミカル社製)」とは、クロチアニジン(2.0%)、プロピコナゾール(14.0%)、IPBC(6.0%)が含まれた薬剤です。この中で「クロチアニジン」とはネオニコチノイド系の薬剤であり、先述した一条工務店でも、断熱材(EPSなど)に使用されているニッソーコートはこのネオニコチノイド系の薬剤です。


ちなみにご存知の方も多いと思いますが、ネオニコチノイド系薬剤は、以前より「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder:CCD)」(ミツバチが大量に忽然と姿を消すこと)に関係していると考えられてきました⬇️
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3338325/pdf/10646_2012_Article_863.pdf

実際に、ネオニコチノイド系薬剤はミツバチの内分泌系を撹乱することがわかっています⬇️

また、ネオニコチノイド系薬剤は、働きバチのナビゲーションシステムを破壊します⬇️

また、ネオニコチノイド系薬剤は、神経系のアセチルコリン受容体に結合し、神経の電気の流れをブロックします。そして、この神経伝達がブロックされることで感覚の統合や学習という高次脳機能が障害を受けます⬇️


https://jeb.biologists.org/content/219/13/2081
さらに、ネオニコチノイドは体内で代謝される過程でアルデヒドを産生することで、生命場を乱すことが示されていたり、エストロゲン作用をもたらし、環境ホルモンとして働くことが示されています。


そして、ミツバチだけでなく、爬虫類(イモリ)の甲状腺機能を低下させることや、野生の鹿の健康状態を悪化させることも判明しています。

https://www.nature.com/articles/s41598-019-40994-9.pdf


このようなことから、ネオニコチノイド系薬剤は人体にも有害な作用を及ぼすのではないかと考えられています。


ちなみに、ネオニコチノイド系薬剤を含めた農薬や、その他添加物・化学薬品、あるいは遺伝子組換え作物(GMO)などについて、その基礎のサイエンスをつぶさに見ていけば、ほとんどの場合において、利害関係のない第三者機関の判断としては「有害だから使用は控えるべき」、「低容量でも人体にも有害な作用が及ぼされる可能性がある」と結論づけています。
その一方で、開発元や販売元と利害関係の深い研究機関や、経済性などを主張する輩は皆「有害性は定かではない。経済的な観点からも必要悪として認めるべき」というような(基礎のサイエンスを無視した)議論を展開しています。


例えば、以下の記事などはその典型例でしょう⬇️

この記事の文章を読んでもらえれば分かる通り、著者は農薬がなければ経済が立ち行かなくなること(農業生産性ダウン)を主張しており、基礎のサイエンスに基づいた議論はそっちのけで、どこから引っ張ってきたかわからないような情報を元に都合の良い解釈で間違った主張をしており、さらに具体的な根拠を示すことなく個人の想像だけで身勝手な結論を導いています。


基礎のサイエンスが身についている人ではなくても、ある程度想像力のある方であれば、このような主張がいかに危険なものであるかがわかっていただけると思います。
世界的にみても科学的な議論から立ち遅れている日本は、いまだに添加物や農薬の規制が世界一緩い国です。情けない、残念な話です・・・。


話が少し脇に逸れてしまいましたが、以上のことから、ネオニコチノイド系の薬剤は環境負荷や人体に悪影響を与えることが示唆されている以上、自分が住む家には少しであったとしても使いたくないと私は考えています(あくまで個人的見解です)。
ですから、一条工務店やスウェーデンハウスの(ネオニコチノイド系薬剤を使用した)防蟻処理は、私の中ではかなりマイナスポイントです。


さて次に、スウェーデンハウスの木材の薬剤処理についてです。


スウェーデンハウスでは、現地(スウェーデンの工場)でホウ酸処理(これは世界的に防蟻剤として広く使用されている)された木材を使用しており、さらに建設過程で土壌処理と同じく「タケロック」を使用した防蟻処理を行っているようです。また、土台や床根太、胴縁には、耐久性に配慮した加圧注入材を使用しているとのことですが、どうやら私が調べたところでは、これは兼松サステック(株)の加圧注入剤である「ニッサンクリーン」という、これまたイミダクロプリドというネオニコチノイド系の防蟻剤が使用されているようです(間違えていたらすいません)。


ちなみにスウェーデンハウスでは薬剤を吹き付けるのは屋外側の外壁パネルだけで、室内側には木部処理は施さないとのことです(以下記事参照⬇️)。その理由として、「室内側には薬剤をいれたくない」からだそうですが、それって結局「人体に影響する可能性がある」ということがわかっているからなのでは・・・??


この辺は意見の分かれるところでしょうし、どれが正しいというわけではないとは思いますが、先述したさすけさんのブログ記事でもあったように、このような薬剤を使用することに不安が生じた場合にきちんとハウスメーカー側から説明を受けて納得できる、ということが最も大切だと私も思っているところです。


何事も納得できないのに妥協して後で後悔する、などということのないようにしたいものです。

・保証

メーカー保証に関して詳しいことはわかりませんでしたが、基礎の土壌に関しては10年保証とHPには記載がありました。また、10年を超えたものは、5年毎の定期検診で50年目まで無料でみてもらえるそうです(ヒュースドクトル50)⬇️

小林住宅

・安全性・有効性

小林住宅では、「タームガードシステム」という三井化学アグロ(株)が開発した、住宅周囲の土に防蟻剤を散布する(しみ込ませる)システムを使用しています。
これは、新築時に建物基礎に沿って薬剤散布用のパイプを土中にあらかじめ埋め込み、土壌を埋め戻した状態で防蟻薬剤を注入する形になっています(専用のポンプを使用し、高圧力で注入)。パイプには20cm間隔で小孔が開いており、ポンプにより注入された薬剤がこの小孔から土中に噴出することにより、建物外周全体の土壌に防蟻薬剤が処理され、シロアリの侵入を防ぐことができるというシステムです⬇️


実は、一条工務店やスウェーデンハウスの防蟻処理と同様、このときに使用される薬剤が問題ありです。


「タームガードシステム」で使用されている薬剤は「アジェンダSC」というバイエルクロップサイエンス(株)という、あの悪名高いバイエル社(ナチスドイツをバックアップしていた悪魔的企業であったIGファルベンが解体されてできた。2018年これまた悪名高いモンサント社を買収して名実ともに世界ナンバーワンのバイオ企業となった)が母体となった化学会社が開発した製品です。この製品中には、フィプロニルという薬剤が9.1%含まれています。
フィプロニルは神経伝達物質であるGABAの作用を阻害して神経伝達を遮断することで、広範囲の昆虫に対して高い殺虫効果をもたらします。
また、遅効性であることから、これを餌と共に摂食した個体は、致死までに帰巣が可能なことが特徴です。特にゴキブリやアリの場合、本剤を摂取して帰巣した個体の糞や死骸を他の個体が摂食することで、巣の集団全体へ効果が拡散するドミノ効果が期待できるとされています。


実はこのフィプロニルという薬剤は、ヨーロッパ諸国では農薬としての使用が禁止されているいわくつきの薬剤です。


EUでは以前からヒマワリやトウモロコシの種のコーティング、温室栽培などにフィプロニルを使用していましたが、これがミツバチの大量死(蜂群崩壊症候群)の大きな要因であるとされ、次第にフィプロニルを使用禁止にする国は増え続け、最後にはヨーロッパではオランダとベルギーだけで一部が使用されていただけでした。
ただ、販売禁止は農薬についてだけで、フィプロニルを含むペットのダニ防止剤やゴキブリなどの害虫駆除剤としての販売は続いています。


一方、日本では、ゴキブリなどの防虫駆除剤のほか、農薬としてもコメ、キャベツ、トウモロコシなどにいまだに使われています。


環境活動団体であるグリーンピース・ジャパンは、国立環境研究所がフィプロニルを使った水田で行った実験で、トンボの発生や生育に悪影響があったという発表などをもとに、日本での使用継続を問題視しています。
世界保健機構(WHO)は、フィプロニルを「ヒトへの毒性中程度の物質」に分類していますが、フィプロニルはネオニコチノイドと同じく、神経細胞のGABA受容体に作用する薬であり、慢性持続摂取・暴露により、何らかの健康影響が出る可能性は否定できません。


ミツバチの大量死を招く化学物質を次第に制限しにかかっているEUに比べると、日本ははるかに対策が遅れています。


しかも、それが住宅の防蟻剤として庭の土壌中に散布されているというのは驚きです。


もちろん最終的には個人の捉え方次第だと思いますが、私はこのような人体や環境に影響を与えることが示唆されている薬剤を自分の家には使いたいとは思いません。


というかそもそも例え有効性が優れていたとしても、安全性に問題がある防蟻剤を好んで使用したいという人などいるのでしょうか・・・?

・保証

メーカー保証5年(5年毎に薬剤注入)


ウェルネストホーム

・安全性・有効性

実は一条工務店やスウェーデンハウスのように、薬剤塗布するシロアリ対策は安全性に問題があるばかりか、有効性にも問題があります。

なぜなら、また、一般的に薬剤塗布の目安とされている「地面からの高さ1m」をはるかに超えた3mの高さでも数多くのシロアリ被害が確認されているからです。つまり、一般的なシロアリ対策工事方法である地面1mの防蟻処理だけでは、シロアリと木の腐れから大切な我が家を守るのは困難であることが、調査結果から明らかになったということです。


そして、一般的には薬剤塗布による防蟻処理の場合、本当は「目視できない壁の中」こそ常に再処理し、目視で確認する必要があります。しかし、現実的にはそんなことは不可能で、一般的な木材住宅は時間が経てばいずれはシロアリ被害に遭うリスクが潜在的に存在している、ということです。


一方で、ウェルネストホームの防蟻対策はコシイプレザービング(株)ハウスガードシステム、通称「緑の柱」
「緑の柱」とは、特殊な薬剤(ACQ)が加圧注入された耐久性に優れた木材であり、ウェルネストホームでは「緑の柱」を土台だけではなく1階の柱まで全部に採用しています。一階の柱と基礎部分を標準使用として使用しており、二階から屋根部分の柱までの使用もできるそうですが、これはオプションとなっています。
「緑の柱」の防蟻成分は銅化合物などの安定した天然資源のため、揮発や劣化を起こすことがありません。そのため効果が半永久的に持続するので、壁内部の再施工の必要がありません。


ちなみに、加圧注入処理で使用する薬剤ACQの主成分は、「銅化合物」と「塩化ベンザルコニウム」です。
「銅化合物」は10円玉などの銅貨をはじめ調理器具などに用いられており、非常に馴染み深い存在です。
「塩化ベンザルコニウム」は陽イオン界面活性剤の一種であり、医薬品として歯磨き粉やウエットティッシュ、コンタクトレンズ洗浄液や洗濯用洗剤などの防腐剤や、病院などでは消毒液などとして使用されている一般的な安全性の確認された薬剤です。


安全性に関してさらに言えば、ラットを使った経口毒性調査・LD50(Lethal Dose 50%:半数致死量のこと)値でACQ処理液を他の様々な物質と比較したものを確認すると、砂糖とほぼ同等のLD50値だということがわかっています。
もちろん「食べ物」と「ACQ処理液」は用途が異なりすぎますので、単純に比較はできませんが、口に入れた時でも塩やトウガラシ、コーヒー等の食品よりも安全性が高いレベルの薬剤であるということが示されています。


また、一部では「緑の柱」は金属を腐らせるからだめだという言説がまことしやかに囁かれていますが、これもよくある誤解の一つです。


太い釘の耐力はACQの電蝕程度では本来の強度が落ちるようなことはありません。
同じ理由で、さらに厚みのある耐震系の金物も全く問題ありません。


金物メーカーでは、そもそもちょっと表面が錆びたぐらいで強度や耐震性能が失われるような製品はそもそも作られていませんし、鉄くぎが電飾で錆びることによって、耐震性が損なわれるようなことはありません。


しかし、ウェルネストホームでは、そもそも電蝕を起こさないように、表面が絶縁コーティングされた対電蝕用の専用釘を使用していますから、そもそも電蝕錆びすら発生しないような工夫が入念にされています。
この念の入れようは、他のハウスメーカーでは真似できないことなのではないか、と私は思います。


コシイプレザービング社のハウスガードシステム、通称「緑の柱」についての詳細は、以下の記事を参考にしていただければと思います⬇️


さらに、ウェルネストホームでは、外壁には断熱材(ロックウール)を含めて無機物が使用されており、内壁側に使用されているセルロースファイバーも防蟻処理(ホウ酸処理)が施されているため、むしろシロアリを退治する作用さえあります(以下記事参照)⬇️

また、床下の断熱は蟻道の見えない基礎断熱ではなく、床断熱を施しており、万一シロアリに侵入されても蟻道が確認できるため、対策できるというメリットがあります。このようにウェルネストホームのシロアリ対策には余念がありません。


ちなみに、上記のような基礎断熱のシロアリに対する脆弱性については、以下の記事をご覧ください⬇️

基礎断熱ではどれだけ対策を施しても、シロアリが断熱材を食い破って侵入してくることが示されています。このことからも、基礎断熱はシロアリに対して脆弱であることがわかっていただけると思います。
このような基礎断熱の弱点を埋めるために小林住宅や住友林業などでは「タームガードシステム」を採用しているわけですが、これは使用されている薬剤の危険性が示唆されているということは先にお示しした通りです。

・保証

メーカー保証は10年。10年目以降、定期的に有償メンテナンスをすることで保証延長がされるようです(詳細は別途保証規定による)。



以上、各ハウスメーカーのシロアリ対策について、長々と書いてみましたがいかがでしたでしょうか??


私の調査不足で、各社のシロアリ対策について補って説明すべき点はあるかとは思いますが、大体の内容はまとめられたのではないかと考えています。


それぞれのハウスメーカーの防蟻処理において長所・短所はあると思います。
メーカー保証もどれくらいの期間保証されるのか、は非常に重要です。


しかし、私が防蟻処理に対して最も重要視することは、やはり確実な有効性と安全性です。


各社が採用している防蟻剤に関しては色々な情報が出回っていますが、私が調べた限りでは日本国内で一般的に使用されている防蟻剤で安全で効果が高いと言えるものは、ホウ酸処理か加圧処理剤(ACQ)だと思います。


私は防蟻剤の専門家でもありませんし、これ以外は絶対にダメだと言える立場ではありませんが、私個人の見解として、ネオニコチノイド系などの防蟻剤を木材に塗布処理しているものや、タームガードのように防蟻剤を土壌に染み込ませるタイプの防蟻処理システムは自分の家には使いたくありません。


しかし、あくまでもこれは私個人の意見であり、防蟻処理に関してはそれぞれのハウスメーカーに尋ねて確かめ、自分で調べた上で判断されるのが良いと思います。


以上から、私としてはウェルネストホームが最も安全性・有効性の高い防蟻処理をしていると思いますので、防蟻処理だけで選んだ場合、ウェルネストホームという選択になるかな、という気がしています。


しかし、これはあくまでも私個人の見解ですから、参考程度にとどめておいていただければ、と思います。ハウスメーカーを選ぶ基準は人それぞれですし、それを全て否定するようなつもりはさらさらありませんので。


何かご不満や意見などございましたら、コメントいただければ幸いです。


本日は以上です!

【ハウスメーカー比較】その②:換気システム

こんにちは、チリです。
本日は2020年3月14日の土曜日です。


前回からウェルネストホームと、一条工務店・スウェーデンハウス・小林住宅という3つのハウスメーカーとの比較記事を書いています。
その一番の目的は、ウェルネストホームというハウスメーカーが、これらのハウスメーカーに引けを取らない家づくりをしていることを示すことです。
また、これから高気密高断熱の家づくりをしたい人のために、どのような基準でハウスメーカーや工務店を選ぶべきか、その指針をある程度示せたらと思っています。


これらのハウスメーカーと、ウェルネストホームとで私が徹底比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


前回は「家の性能」についてかなり詳しく比較してみました。
今回は、「換気システム」について比較したことを書いていきたいと思います。

2.換気システムの比較


換気についてはまた別の記事で詳しく書きたいと考えていますが、我が国では2003年に通称「シックハウス法」が施行されてからは、計画的換気が義務となっていることや、住宅の気密性が高まっていることから、機械換気による24時間換気システムが常識となっています。また、高性能の24時間機械換気システムを導入することは、田舎でも大気汚染が深刻になっている昨今では、当然のことと言って良いでしょう。
流石に「住宅は窓を開けて換気すること(=自然換気)が必要」などという考えを持っている人はもはやいないでしょう。
さらに言えば、以前の記事でも書いたように、「Indoor Air Quality:室内空気品質」を保つためにも、高気密・高断熱と換気システムはセットで考慮されなければならないのです。


ちなみに、一般的な住宅で採用されている換気システムには、主に第一種換気システム第三種換気システムがあります。換気システムの種類についてわからない方は、以下のサイトなどをご覧ください。


では換気システムとして、「第一種」と「第三種」とではどちらの方がベターなのでしょうか?


私の答えは、もちろん「第一種」です。


第三種換気システムは、外壁に穴が空いている部分から空気を機械(換気扇など)で強制的に捨て、同じ量の給気を(自然に)得る方法です。この換気システムの弱点は、夏は暑い空気が入ってくるし、冬は寒い空気が入ってくるので、エネルギー的にはかなりロスをするということです。これは、我々高気密高断熱のエコな家づくりを志向する者たちにとっては極めて大きな欠点です。


一方で、第一種換気システムは、給気時も排気時も機械でコントロールできるシステムであるため、暖かい空気と冷たい空気を機械の中で絡ませることによって、熱のロスをなくすことができます。


すなわち、高性能な省エネ・エコハウスを建てたいと考えるならば、第一種換気システムがベターであるということなのです。
特に、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)仕様にして補助金などを受けようとした場合には、第1種換気システムは必須ですから、そういう意味でも家の性能にこだわる人ならば第一種以外はあり得ないでしょう。
ちなみに、第一種換気システムを導入するなら、気密性能を示すC値は最低でも1以下、できれば0.5以下にしておくことが望ましいようです(以下の3つの記事参照)。


24時間換気はデメリットばかりなの?熱交換換気システムで省エネ健康な家 | WELLNEST HOME


ちなみに今回比較したハウスメーカーはいずれも高気密を謳っていることもあり、換気システムはみな「第一種」換気システムを採用しています。


それでは、各社の換気システムについて、以下で比較検討していきましょう。

一条工務店(i-smart)

・ダクト式第一種換気システム(全熱交換型セントラル)
・MAX社製のロスガード90
・熱交換率90%(*冬季暖房時、詳細は不明。なお、MAX社のHPでは、熱交換率は70-80%と記載されているが・・・??)
・湿度交換率71%(条件不明)

スウェーデンハウス

・ダクト式第一種換気システム(全熱交換型セントラル)
 *寒冷地ではダクト式第三種換気システムを導入
・パナソニック製の熱交換気ユニット(FY-75VB5A)を使用
・熱交換率70%以上(カタログ記載、給気風量が 強 75/78m3/h、弱55/50m3/h 時の値)
・湿度交換率:不明

小林住宅(ダブル断熱)

・ダクト式第一種換気システム(全熱交換型セントラル) 
・MAHBEX社製の澄家sumika
・澄家DCで熱交換率80%、DC-Sで90%(条件は不明)
・湿度交換率:不明

ウェルネストホーム

・ダクトレス第一種換気システム(全熱交換型デセントラル)
・ドイツインヴェンタ社製のヴェントサン
・温度交換率87%(風量20 m3/h 時)
・湿度交換率36%(風量20 m3/h 時)
*ドイツの試験機関「TUV」により、ドイツ工業規格DIN に準拠した試験を実施


以上が各社で採用されている換気システムとその性能の羅列です。


上記の通り、どのハウスメーカーも第一種換気システム(全熱交換型)を採用しており、一条工務店とスウェーデンハウスと小林住宅は「ダクト式」ウェルネストホームのみが「ダクトレス」を採用しています。
性能面では、スウェーデンハウスが使用しているパナソニックの換気システム以外は、どれも熱交換率が(パンフレットやHP上では)80%を超えており、高い換気性能を誇っていると考えられます。
しかしながら、その熱交換率が実際にどの条件の下での話なのか、その詳細が明記されてい他のは、私が調べた限りではスウェーデンハウスのパナソニック製品とウェルネストホームのヴェントサンのみであり、一条工務店に至ってはHP上での表記と、実際のメーカーの記載内容とが一致しないところがあり、正確な値ではない気がします。


ちなみに、「全熱交換型」が何かに関しては、以下の記事を参考にしてみてください(スティーベル社のサイトはかなり勉強になります)。


では、そもそも「ダクト式」「ダクトレス」ではどちらが良いのか??
これに関しては以下の記事を参考にしてみてください。


例えば、ダクト式である一条工務店のロスガード90の場合、消費電力68Wですから、25円/kWhと考えた場合、電気代は1,224円/月→14,688円/年になります。また、メーカー推奨の半年に一度フィルター交換ということを考えると、これにフィルター代が月々250円ほどかかってくることになります。さらに、メーカーとしては「ダクトは汚れない」と豪語していますが、実際にはダクト内が汚れたり、結露したり、カビが生えたりしないという保証はどこにもありません。そうなると、ダクトの清掃やメンテナンスが必要になり、天井裏や床下でかなり大掛かりな作業をしなければならないため、かなりの費用がかかってくるでしょう。これはダクト式の欠点であり、ダクト式を採用しているスウェーデンハウスでも小林住宅でも言えることです。ダクト式は「必ず汚れる」ということを述べている会社があったので、参考までに⬇️


上記のサイトの会社は、もしダクトにするのであれば、以下の記事にあるような極太のセンターダクト式の換気システムやウェルネストホームがオプションでやっているダクト内汚染を考慮したダクト式などを導入すべきと述べていますが、もちろんその分余分に費用がかかってきます。
ちなみに、ここの社長はダクトレスのことを批判しているようですが、ダクトレス換気システムの家を作ったことはあるのでしょうか??また、センターダクトを導入する費用はいくらくらいかかるのでしょう??相当高そうですが・・・。


一方で、ダクトレスであるウェルネストホームのヴェントサンの場合、1つにつき消費電力は3W。だいたい一軒で6個くらいが標準装備らしく、それでも20Wを切るくらい。電気代は年間5000円もかかりません。また、フィルターは洗えば何度も使用できるらしく、メンテナンスも非常に簡単(*ただし花粉用フィルターは高価)。
もし機械が完全に壊れても、外して入れ替えれば良いだけ。工事や機械自体の費用もダクト式に比べれば断然安いし簡単です。


ですから、私は第一種換気システムにするのであれば、「ダクトレス」の方がメンテナンス面やランニングコストの観点からも断然良いと考えています。


ただし、ウェルネストホームではいくつかのモデルハウスでダクト式の換気システムを採用しており、「クリーンルーム並みの空気環境(創業者談)」が手に入るらしいですが、今のところ、我が家にはそこまでは必要ないかな、というのが正直なところです。


また、加えて申し上げておくと、ウェルネストホームでは全熱交換型の換気システム以外にも、資材にこだわることで冬場の過乾燥を防ぐための方策が練られており、一年中加湿器なしでも湿度が40-50%を保つことが可能ですが、他のハウスメーカーではやはり冬場の過乾燥が問題になるようで、加湿器は必須のようです(以下ブログ、記事参照)⬇️



一条工務店では、このような「過乾燥」を防ぐために、パナソニックと共同研究という形でロスガードに加湿機能を持たせたバージョン(「うるケア」)も開発されているようですが、これはダクト内結露などが生じるリスクなどが新たに出てくると思われます(以下記事参照)⬇️



やはり、IAQ(Indoor Air Quality:室内空気品質)にとって重要な湿度は、基本的には機会に頼るのではなく、内壁や床材などの材質にこだわることで自然にコントロールできる、というのが望ましいと思います。


その点ではウェルネストホームの家は調湿性が高く、高気密・高断熱の性能をウリにしている他社と比べても一枚も二枚も上手であると感じています。


今回も長くなりましたので、一旦ここで切らせていただきます。

【ハウスメーカー比較】その①:気密性・断熱性

こんにちは、チリです。
本日は3月12日の木曜日です。



さて、前回までは「〇〇な家を建てましょう!!」シリーズで書いてきましたが、今回は私が独自にウェルネストホームと他者とを徹底的に比較検討してみたことについて書いてみたいと思います。


なぜ他社と比較検討したか?どこと比較したか?どのように比較したか?

私の中では、初めて知った時からウェルネストホームで家を建てたいとは思っていました。ではなぜそんな私が他社と比較検討するようなことをしたのか??


ここでぶっちゃけますが・・・


それは自分と違う考え方を持つ妻に配慮したからです。


実は資金計画や、家の性能などに関して、当初から自分の妻と意見が全く合いませんでした。


妻は、私のような(強過ぎる!?)こだわりは特に持っておらず、「無駄に高過ぎる家づくりはしたくない。できるだけ(イニシャル)コストを抑えて建てられたら良い」と考えている方で、ぶっちゃけ性能が悪くても安く買えるのであれば建売で良いと当初から言っていました。
そして、妻は「子供が自立する頃に住めなくなったらその土地を売って、住み替えたらいい。そのためにも駅近で便の良い値段の下がらない土地でできるだけ安い家を建てることが重要。建物の資産価値なんかすぐなくなるんだから」という、良くも悪くも「普通の」考え(実はその考えこそが建物の資産価値を下げている大きな要因、過去記事参照)をしている人だったので、そもそも私の(家の性能に対する)こだわりを理解してもらうことが難しい状況でした。


そんな妻に配慮すべく、私たちはウェルネストホーム以外の他社(ハウスメーカー)も検討しようということで、いくつかの高気密・高断熱住宅を建てているハウスメーカーに絞ってネットで調べたり、モデルハウスのある住宅展示場へ赴いたり、ハウスメーカー独自の工場見学や施設まで出向いたりして様々な情報を集めました。


そうして、最初からウェルネストホーム以外は眼中になかった私でしたが、他社との比較を余儀なくされることになったのです。


私が個人的に比較検討したハウスメーカーはいくつかありますが、その中でも以下の3つのハウスメーカーは徹底的に比較しました。


一条工務店
「家は、性能」と謳っている通り、断熱性能に関しては国内トップクラス。最大のウリである全館床暖房と、最近では破格の安さの太陽光発電+蓄電を売り出しており、住宅販売件数でも積水を抜いて国内ナンバーワンに。名実ともに他の大手ハウスメーカーを寄せ付けないほどに成長したハウスメーカー。資材のほとんどをフィリピンにある自社工場で一括管理しているため、坪単価の安さも魅力の一つ。実は過去に私たち夫婦もこのハウスメーカーで家を建てる直前まで行きました。しかし、結局当時は資金面で問題があったため、しばらくマイホームは諦め、賃貸で一軒家に住むという選択をしました。今になれば、そうしてよかったなと心から思っています。


スウェーデンハウス
トーモク(株)の子会社。北欧スウェーデンにならった輸入住宅を専門で扱っておられます。毎年のように顧客満足度ナンバーワンで、そのオシャレな外観を含めて、多くの施主から愛され続けているハウスメーカーです。性能面でも他社と比較しても引けを取らず、特に木製のトリプルサッシは、スウェーデンハウスならではの味わいと趣が出ていると個人的には思います。私たちはスウェーデンハウスにはモデルハウスを含めて、結局行くことはありませんでしたが、ウェルネストホームを知っていなければ選んでいたかもしれないハウスメーカーの一つです。特に私は、個人的にスウェーデンハウスの階段の雰囲気が大好きで、自分の家にも同様の雰囲気のものを導入できないものかと画策しています。


小林住宅
大阪を本拠地とする創建(株)のグループ会社。昔は名実ともにトップクラスのハウスメーカーだったそうですが、経営悪化により倒産、創建グループに組み入れられました。その後2001年からダブル断熱を採用し始め、創建が提供するKurumuと名付けられた家づくりにより、家の性能(気密・断熱性能)を担保することでエコな家づくりも志しておられます。資料などを見ながらこのハウスメーカーを妻も気に入り、ウェルネストホーム以外で建てるならここだな、と話し合っていたほどです。


もちろん、どのハウスメーカーもウェルネストホーム同様、高気密・高断熱で耐震性も高く(耐震等級3)、性能の高い家づくりをウリにしているハウスメーカーです。


これらのハウスメーカーと、ウェルネストホームとで私が徹底比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


本当はアフターサービスやメンテナンスなどについても徹底的に比較検討したかったのですが、これらは不明な点も多かったため、今回は比較対象外としました。
それではいよいよ以下で上記のそれぞれについて、徹底比較したことを書いていくことにしましょう。


ちなみに、一条工務店はi-smartという最も性能の高いシリーズ、小林住宅は外断熱だけでなく、ダブル断熱までした場合の比較をしています。

1.家の性能(気密性・断熱性)の比較

まずは家の性能からみていきましょう。


こんなマイナーでマニアックなブログを読んでくださる読者であればすでにご存知のことと思いますが、他社と気密・断熱性を比較する際には、基本的には断熱材の仕様とQ値・UA(Ua)値・C値の3つ、そして窓の性能(熱貫流率)で比較すると良いでしょう。


それでは早速比較検討していくこととしましょう。

一条工務店(i-smart)

断熱材の仕様

基本的には自社工場生産の高性能ウレタンフォームを使用。

・屋根の断熱:天井断熱ウレタンフォーム235mm
・壁の断熱=外断熱:ウレタンフォーム140mm +内断熱:ウレタン不フォーム50mm
・床の断熱:床断熱:ウレタンフォーム140mm

窓の仕様

・自社工場生産のトリプル樹脂サッシ
・熱貫流率0.8 W/㎡・K(*熱貫流率は低いほど性能が高い)
*専用のシェード(ハニカムシェード)をつければ0.6 W/㎡・K!!(ホント!?)

Q値・UA値・C値(Q・UA値は断熱性能、C値は気密性能。いずれも値が小さい方が性能が良い)

Q値:0.51 W/㎡・K
UA値:0.25 W/㎡・K
C値:0.59 cm2/㎡(何度も計測して3回連続で0.7が出たら合格らしい。良くて0.5台ということか??)


スウェーデンハウス

断熱材の仕様

基本的にはマット状グラスウール(パラマウント硝子工業株式会社の”フェザーグラス”という商品)を使用。
・屋根の断熱:天井断熱グラスウール300mm吹き込み(ブローイング工法)
・壁の断熱=外断熱:マット状グラスウール120mm(密度24kg/m3)
・床の断熱:マット状グラスウール100mm×2=200mm(密度16kg/m3)
*2階床下(1階天井裏)は、グラスウール最大250mm(外壁から60cm部分まで)
*壁パネルの接合部にもグラスウールを挟み込み、その上から防湿フィルムで保護することで住宅の気密性を高めている。さらに床と壁の継ぎ目には、気密パッキンとガイドレールを施工して隙間をなくしている。

窓の仕様

・木製のトリプルサッシ
・熱貫流率1.3 W/㎡・K(*熱貫流率は低いほど性能が高い)
アルミサッシに比べて1000倍以上も断熱性能が高い。ただし耐久性は樹脂サッシが上。
*スウェーデンハウスの外観に合わせた木製サッシは意匠性も高く、オシャレ!!

Q値・UA値・C値(Q・UA値は断熱性能、C値は気密性能。いずれも値が小さい方が性能が良い)

Q値:1.28 W/㎡・K(全棟平均?)
UA値:0.4 W/㎡・K(全棟平均?)
C値:0.63 cm2/㎡(平均値??引き渡し前に測定)


小林住宅(ダブル断熱)

断熱材の仕様

創建がすすめる”Kurumu”という家での外断熱工法、基本的な断熱材はウレタンフォーム(ウレタンボード)を使用、オプションの内断熱は吹き付け発砲ウレタンを使用。
・屋根の断熱:屋根断熱ウレタンフォーム50mm+吹き付け発砲ウレタン80mm
・壁の断熱:外断熱:ウレタンフォーム40mm+内断熱:吹き付け発砲ウレタン75mm
・床の断熱:基礎断熱ウレタンフォーム40mm

窓の仕様

・エクセルシャノン社のトリプル樹脂サッシ
・熱貫流率1.0 W/㎡・K(*熱貫流率は低いほど性能が高い)

Q値・UA値・C値(Q・UA値は断熱性能、C値は気密性能。いずれも値が小さい方が性能が良い)

Q値:2.39 W/㎡・K
UA値:0.33 W/㎡・K(標準の外断熱のみの場合、0.4〜0.5前後か?)
C値:0.28 cm2/㎡を達成(*ただし、内装工事前の一回測定のみ。平均値だと0.3〜0.4くらいか?)


ウェルネストホーム

断熱材の仕様

基本的には外断熱と内断熱を組み合わせた「ハイブリッド断熱工法」
以前は外壁(外断熱)は「アルセコ(alsecco)」が標準仕様でしたが、今はロックウール社の「レッドアート(Redart)」を採用されています。内断熱はセルロースファイバー。ちなみに、セルロースファイバーは、天然繊維(パルプ)で出来た断熱材で、アメリカでは最も使用されている断熱材です。新聞紙をリサイクルして作る再生品であるため、資源の枯渇の心配もなく、製造時エネルギーがほとんど必要ありません。このため、セルロースファイバーは、住む人と地球環境にやさしいエコロジーかつ高性能な断熱材と言われています。


・屋根:セルロースファイバー300mm
・壁断熱:ダブル断熱、内はセルロースファイバー100mm、外はロックウール100mm
・床断熱:ダブル断熱、ネオマフォーム(旭化成)100mm+XPS(=押出法ポリスチレンフォーム)25mm
*低燃費住宅発足当初は床の断熱は基礎断熱だったそうですが、床下が高湿度になりカビの問題があること、また基礎断熱だとシロアリが侵入してもその蟻道がわからなくなる、などの問題があるとのことで、今は基礎断熱はしていないそうです。

窓の仕様

・内付けのトリプル樹脂サッシ
・熱貫流率0.78 W/㎡・K(*熱貫流率は低いほど性能が高い)
*以前はヨーロッパ製のユーロサッシでしたが、旭化成と業務提携してからは、日本国内で生産しているようです。ちなみに、「内付け窓」は耐震性やメンテナンス性にも優れており、ウェルネストホームのウリの一つです!!

Q値・UA値・C値(Q・UA値は断熱性能、C値は気密性能。いずれも値が小さい方が性能が良い)

・Q値:1.0前後
・UA値:平均0.26
・C値は全棟0.2以下(施工中、施工後の2度気密測定)



以上、家の性能を羅列してみました。


これらウェルネストホームを含めた4つのハウスメーカーの性能を比較してみてわかったことは、断熱性能では大手ハウスメーカーの中ではやはり一条工務店がほぼ独走している(一人勝ち)、ということでした。断熱性で一条工務店に敵う家づくりをしているところは日本国内ではなかなかないでしょう。ただし、ウェルネストホームも相当肉薄した数値が出ていますし、断熱性能でも国内トップクラスであることは間違いありません。


一方で、気密性を示すC値(家の隙間を示す数値)を見てみると、この中ではウェルネストホームが圧勝です。ウェルネストホームでは、気密測定を引き渡し前に2度チェックしており、全棟C値0.2以下で文字通り「隙のない」家づくりをされています。


ちなみに、断熱性能がいくら良くても、気密性能が低ければ意味がない、ということを以前の記事で書きました。すなわち、断熱性能と気密性能はニコイチでないとだめだということです。
ウェルネストホームの気密性能(=C値)と一条工務店の気密性能(=C値)を比べてみると、約3倍もの差がついています。これは家の隙間が3倍もあるということなので、気密性能から考えれば、全体的な家の性能はウェルネストホームに軍配があがるのではないかと私は考えます。


ところで、「家は、性能」という謳い文句をつけるほど家の性能にこだわりを持っており、断熱性能では群を抜いている一条工務店ですが、気密性能では数値だけみればウェルネストホームだけでなく、小林住宅と比べてもかなり劣っています。一体なぜでしょうか??


その理由は、断熱性能は断熱材の質や量、窓の性能を高めるだけである程度高く保つことが可能であるのに対し、気密性の高い家づくりをしようとすれば、かなり熟練の大工の腕が必要で、現場の精度の高い施工技術が求められるからです。一条工務店では、年間一万棟以上も施工していますから、そのような高い技術力を持った職人が時間をかけて一軒一軒の家を丁寧に施工しようとすると、かなりの労力と費用が必要になります。
私の穿った見方かもしれませんが、一条工務店はそこにかける労力と費用を許容されるレベルまで削減して、その分を自社生産の床暖房や窓、そして太陽光といった設備投資に回しているのだと思います。その証拠に、床暖房や太陽光(+蓄電池)といった設備に関しては驚くべき破格の安さで顧客に提供しておられます。
しかし、だからこそ年間100棟程度しか建てておらず、比較的一軒一軒丁寧な家づくりのできるウェルネストホームや小林住宅に比べると、気密性ではかなり劣ってしまう。
これは我々高気密高断熱にこだわる人間からすれば、一条工務店の欠点になりうると私は思います。


さらに言えば、「気密性能(=C値)の経年劣化」も気になるところです。
これに関しては、以前の記事でも書きましたが、ウェルネストホームでは建設時のC値が全棟0.2以下、かつ気密性が経年劣化しにくい方策が細かいところまで考えられており、年を経るごとに気密性能では他社と差が出てくると考えられます。


実際に、例えば一条工務店の伝説的施主ブロガーである「さすけ」さんも、C値の経年劣化に関しては、自身で他社(FPの家)のデータと比較した上で、「現時点では一条工務店のC値は5年程度経過すると、建築当初から2~2.5倍程度に悪化するとみるのが妥当」と記載されています⬇️


これは、ウェルネストのモデルハウスでは数年経ってもC値が変化なかった(創業者、営業談)ということと比較すると、かなりの差がついていると考えられます。


というか、そもそも厳しいことを言うようですが、経年劣化のデータを取っていないという時点で、そのハウスメーカーは気密性には自信がない、ということなんだろうと私なら判断しますが・・・。
それともデータは取っているが、都合が悪いデータだから隠しているのか・・・。


ちなみに私ならば、ウェルネストホーム以外でということになれば、気密性に劣る一条工務店ではなく、性能面ではバランスのとれた小林住宅(ダブル断熱)を選びます。しかし、もちろん総合的な家の性能で考えれば、やはりウェルネストホーム以外のハウスメーカーは私には考えられません。


スウェーデンハウスに関しては、残念ながら家の性能で考えれば選択する余地はありません(スウェーデンハウスの営業の方や施主の皆様、ご無礼をお赦しください)。
しかし、先述した通り、スウェーデンハウスは意匠性に優れた外観や家の雰囲気などで愛され続けているハウスメーカーであり、おそらく家の性能だけでスウェーデンハウスを選ばれた施主さんは、ほとんどいらっしゃらないでしょう。


各種断熱材に関しては、また機会があれば詳細を書いていきたいと思います。


ちなみに性能の良い家のランニングコストはどうなっているのか?に関しては、ウェルネストホームの施主であるバタピーさんが、各社を比較したデータを自身のブログ上で公開されているので、ぜひ参考にしてください。


今回は長くなったので、以上にします。


次回は「ハウスメーカー徹底比較②」として、換気システムの比較からまとめていこうと思います!!