チリの家づくりブログ 〜WELLNESTなマイホーム計画〜

住宅業界のトップランナーと共に、「一生健康で快適でエコ」な家づくりを目指します

WELLNEST HOME(ウェルネストホーム)で超高気密・高断熱住宅を建てるまでの記録です

【ハウスメーカー比較】その⑥:まとめ

こんにちは、チリです。
本日は2020年3月25日水曜日です。


さて、前回まで長々とウェルネストホームというほぼ無名のハウスメーカーと、一条工務店やスウェーデンハウスといった性能もよくブランド力も強いほぼ最強の大手ハウスメーカー、そして小林住宅という外断熱にこだわっている中堅ハウスメーカーと徹底的に比較してきました。


いかがだったでしょうか??


今回はその過去5回を振り返ってのまとめ記事です。


以下に比較した項目別の私の評価と総合評価(星五つが最高ランク)を示しておきます。
ただし、これは完全に主観に基づく評価ですので、ご参考までに。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
 ・一条工務店      ★★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★
2.換気システム
 ・一条工務店      ★★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★
3.防蟻対策
 ・一条工務店      ★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★
4.外装・内装の自由度(設計の自由度)
 ・一条工務店      ★
 ・スウェーデンハウス  ★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★
5.資材・建材へのこだわり
 ・一条工務店      ★★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★


総合評価
 ・一条工務店      ★★★
 ・スウェーデンハウス  ★★★
 ・小林住宅       ★★★★
 ・ウェルネストホーム  ★★★★★


以下でこれまでの徹底比較シリーズの総説を書いていきましょう。


まず一つ目の「家の性能」についてです。


特記すべき点として、「家は、性能」とHPで掲げている一条工務店ですが、残念ながら気密性能はウェルネストホームや小林住宅と比べてもかなり劣ることがわかりました(とはいえ一般的な住宅と比べれば気密性は抜群ですが)。
そしてこれは、一条工務店はHRDというフィリピン工場で資材を一括製造してそれを日本国内で(一条工務店を通じて)販売することに専念している(だから断熱性能を高めることができた)ため、現場での施工レベル・施工技術を高めることによる気密性の確保には注力できないのだろう、ということでした。


しかし、これは何も一条工務店に限った話ではなく、大手ハウスメーカー全てで言えることだと思います。それでも断熱性や気密性が他の大手ハウスメーカーに比べて圧倒的に優れている一条工務店は本当に驚異的なハウスメーカーだと思います。


もちろん今回比較した3つのハウスメーカーはどれも日本の一般的な住宅(「獣宅」:山本順三氏命名)と比べれば高気密・高断熱ですが、その中でもウェルネストホームの断熱性・気密性は総合的に見れば群を抜いています。その性能で言うと、ドイツパッシブハウスと互角に渡り合えるほどだと思います⬇️

一条工務店も断熱性能(UA値0.25)だけみれば、HEAT20のG3レベル(Ⅵ地域でUA値0.26)を超えるレベルです⬇️
http://www.heat20.jp/members/data/2019/18-3_suzuki_sunagawa_nonaka.pdf
しかし、パッシブハウスレベルの気密性(C値0.2程度)はなく、私からすれば少し物足りなさを感じてしまいます。


次に、二つ目の「換気システム」についてです。


今回比較したハウスメーカーは全て高気密・高断熱な家づくりを志向しているため、みな第一種換気システムを採用していますが、その中でもウェルネストホームのみが「ダクトレス 」の換気システムを標準仕様として採用しています。
ダクト式のデメリット(設置するのが大掛かりで大変なことと、メンテナンスコストが高い)を考えれば、ダクトレスを選択するのが賢明かなという気がしています。


三つ目の「防蟻対策」に関しては、人体に有害な(可能性が高い)薬剤を資材に塗布したり、住宅周囲の土壌に散布している他の三つのハウスメーカーに比べれば、ウェルネストホームの「緑の柱」を使ったハウスガードシステムとホウ酸により防蟻処理された断熱材(セルロースファイバー)による防蟻対策は安心・安全で、かつ有効性も高いと私は判断しました。


四つ目の「外装・内装の自由度」に関しては、ツーバイ(2×6)工法や木質パネル工法で施工している一条工務店やスウェーデンハウスは実は設計の自由度が低く、小林住宅のNK工法やウェルネストホームの在来工法の方が設計の自由度が高いことがわかりました。とはいえ、しっかり構造計算をして耐震等級3を確保するためにはどこもある程度の設計の制限が設けられることは致し方ありません。
ただ、一条工務店の自社開発の製品しか使えないという自由度の低さは、正直に申し上げて自由設計と言ってはいけないレベルだと思います(失礼な言い方ですいません)。
スウェーデンハウスも外観や窓や間取りを含めて自由度は低そうですが、これはオシャレな北欧風の外観や内装を保つためにまだ許せるレベルだと思います。


五つ目の「資材・建材へのこだわり」に関しては、何と言っても一条工務店の「太陽光パネル+蓄電池」がすごすぎて、私も喉から手が出るほど欲しいシステムです。下手をすればこれだけで一条工務店を選ぶ人もいるのではないでしょうか?
ウェルネストホームも細かいところでのこだわりがたくさんあり、これに関しては徐々に当ブログでまとめていきたいと思っているところです。




ところで、私は一条工務店が自社HPでも掲げているように、家づくりにおいては「性能」が最も重要であると考えています。しかし、それが全てだとはもちろん思ってはいません。やはり、「住み心地(=快適性)」「使いやすさ(=利便性)」も考え抜かれた家づくりをしたいと考えています。


しかしこの快適性や利便性は、施主一人一人の主観的な評価となりますから、施主(住まい手)と深くかかわらなければ、具体的な提案などできません。そして、私は大手ハウスメーカーよりも、地元工務店などの方が施主と深く関わることができ、施主が求めるものをより具体的に提案できると思っています。
なぜなら、海外の大規模工場にほとんどの資材・建材の生産ラインを委ね、国内の営業マンはとにかく家を売ることしか考えていないような大手ハウスメーカーに比べれば、地元の工務店や小規模なハウスメーカーならより顧客と深く接する時間を取りやすく、一人一人にあった快適性や利便性を見出して追求していくことも可能だろうと思うからです。


例えばウェルネストホームで家を建てる場合には、すでに国内最高レベルの「家の性能」は担保されています。これはウェルネストホームを選んだ人たちが誇るべきことです。そして、あとは我々顧客にできることは、自分たちのライフスタイルに合った住み心地の良い(快適な)、使いやすい(利便性の高い)住まいにすることを考え、いかにそれを営業担当者や設計担当者に伝えていくか、ということだけです。
逆にいえば、ウェルネストホームのようなマイナーなハウスメーカーや地元の工務店からすれば、性能が高いだけではなく、顧客の要望を最大限に叶え、施主にとって快適で利便性の高いオンリーワン住宅を作ることこそが、大手ハウスメーカーに対抗して勝てるポイントだと思いますし、それをいかに戦略的にやっていくかがこれからの課題になってくると思います。


最後になりましたが、近年私のように子育て世代の若い人たちの中にも、「安全・安心・健康な住宅」に高い関心を持つ人が増えてきています。その中で、気密性・断熱性に優れた高性能な家づくりを志向する方々も増えてきているように思います。それは、高性能住宅を建てた施主ブログが増えてきていることからもわかります。
しかし、本当に「安全・安心」なものとは、やはり「生産者の顔が見える」ということです。例えば、”食”に関していえば、大手スーパーやデパ地下で売られている生産者の顔が見えない農薬だらけの果物や野菜よりも、地元のスーパーや直売所などで売られている生産者の名前も顔もわかるような”地産地消”の農作物の方が安心・安全と言えるのではないでしょうか?しかもそれが無農薬・無肥料栽培であればなお安全・安心だし、健康にも良いと言えるでしょう。


近年では木材生産者、製材業者、木材販売業者、大工・工務店、建築士など家づくりのプロたちが地域ごとにネットワークを組み、国産材や、その地域の自然素材を多用した家づくりを進める、「顔の見える家づくり」が活発に行われるようになってきています。
地域工務店こそ、顧客に木材の産地を見せ、製材乾燥加工の現場を見せ、工務店そのもの、そこで働く人たちを見せ、モデルハウスがあるならばそれを見せ、施工現場を見せ、完成住宅を見せる、安全で安心な「顔の見える家づくり」をぜひ志してやってもらいたいものです。私はその中でこそ、真の意味で「安心・安全・健康」な本物の家づくりが完成に向かっていくのだと確信しています。


だから私は決して「顔の見えない家づくり」をしている大手ハウスメーカーでは家を建てません。それは見栄えや形は良く、味も整ってはいるけれども、農薬が使われまくった遺伝子組み換え作物のようなものだと思うからです。
私はそのような不自然な食べ物は要らない、と思うと同時に、生産者の顔の見える安心・安全・健康な食べ物を選びたいと思います。


それと同様に、マイホームもできるだけ「顔の見える家づくり」を志して挑戦し続けているウェルネストホームのようなハウスメーカーを選びます。


それはもちろん自分のためでもありますが、将来の子どものため、さらには地球環境保全のためにもつながるのではないかと愚考しています。


また長くなりましたが、今回は以上です。

【ハウスメーカー比較】その⑤:資材・建材へのこだわり

こんにちは、チリです。
本日は2020年3月23日月曜日です。春分の日も終わり、桜の季節が近づいてきました。
ちなみに今年は暖冬だったので桜の開花が遅れるところがあるとのことですが、東京では最も早いところで明日の21日には開花するそうです。
しかし、コロナの影響で自粛ムードが続く中、花見イベントも中止になるところも多く、花見客も例年より激減するでしょう。


今回のパンデミック騒動(コロナ渦)で本当の問題は感染拡大などではなく、経済的な問題やマスコミの煽りなどにより人々の間に不安と恐怖が渦巻いていることです。
そしてこのような恐怖と不安が我々の正常な思考能力を奪い、人々の行動まで変化させてしまいます⬇️
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3181681/pdf/DialoguesClinNeurosci-4-231.pdf
買いだめに走ったり、差別感情を爆発させてしまっている人が多くいるのも、この不安と恐怖がなせる業なのです。
いつの時代も権力者たちはこのような状況を利用して人々の不安と恐怖を煽り(ショックドクトリン)、思考をストップさせて自分たちに都合の良い政策を推し進め、必要ない戦争に駆り立てたりしてきた、ということを私たちは肝に銘じておかなければなりません。



さて、本日は比較シリーズ第5弾ですが、いよいよ今回で比較シリーズは最終回です。


ウェルネストホームと一条工務店、スウェーデンハウス、小林住宅といういずれも高性能住宅を謳っているハウスメーカーを徹底比較してきました。


ちなみに私が比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


今回はシリーズの最後ということで、5つ目の「資材・建材へのこだわり」についてみていきたいと思います。
これは実は私が個人的にはハウスメーカーを選ぶ際に、家の性能の次に重要視すべきだと思うことですので、かなり調べた上でまとめました。またまた長くなりましたが、もし興味がある方はしっかり読んでみてください。自分で言うのもなんですが、ハウスメーカー選びをするときに相当参考になると思います。

5.資材・建材へのこだわり

これに関しては、いくつかにポイントを分けて比較していきたいと思います。
比較したポイントは以下の2つです。


・建材として使用する木材に対するこだわり
 :主に構造用木材とフローリングについて
・それ以外の資材(太陽光パネルなど)に対するこだわり
 :特に一条工務店の太陽光パネル+蓄電池はスゴイ!!


他にも断熱材や外壁や内壁に対するこだわりなども比較して論じたかったのですが、断熱材は断熱性能のところでも書きましたし、外壁・内壁に関してはまた別の機会で書こうと思います。


それでは早速以下で各社のこだわりについて比較検討していきましょう!!

一条工務店

・建材として使用する木材に対するこだわり

●構造用木材
まず、一条工務店のi-smartやi-cubeシリーズでは、ツーバイ(2×6)工法が用いられており、このような工法で建てられている住宅の構造用木材には、必ず2インチ(約5cm)×6インチ(約15cm)の角材と、接着剤で木材を張り合わせた合板(構造用合板)という建材が使用されています。
ちなみに、「合板」「集成材」は意味が異なりますので、注意してください(以下記事参照)⬇️

一条工務店のツーバイ工法で使用される角材に関しては、アメリカ最大の林業会社である「Weyerhaeuser(ウェアハウザー)」社製の日本むけ加工木材(SPF材、ACQ加工処理済み)で、アメリカ産あるいはカナダ産の針葉樹(米松など)を使用しているようです(以下記事参照、記事拝借失礼します)⬇️

一方、一条工務店が使用している構造用合板についてです。
合板にはJAS(日本農林規格協会)が指定する規格があり、合板の「強度」「合板の接着部分の耐久性」が指定されています(前掲の記事参照)⬇️

一条工務店が使用している合板の「強度」は2級(壁・床・屋根の下地板などの用途を考えた基準)で、接着部分の耐久性は特類(常時湿潤状態における接着耐久性が確保されているレベル)です(以下さすけ氏の記事も参照ください、何度も拝借失礼します)⬇️

また、建材において重要なこととして、ホルムアルデヒドの放散量を考えなければなりません(以下記事参照)⬇️

一条工務店のHPをみると、「業界最高水準を追求した空気環境」を保つために低ホルムアルデヒドの「F☆☆☆☆」グレードの建材を標準で使用していると記載があります。
これは、JASやJIS(日本工業規格)がホルムアルデヒドの放散量が少ないものとして認められたものであり、特徴的なJAS・JIS認定マークが記されています。


まあ、上記のことは当たり前っちゃあ当たり前の話です。ホルムアルデヒドの放散量が多ければ多いほど、換気が行き届いていたとしても住宅内の大気中に残留し、IAQ(Indoor Air Quality:室内空気品質)が損なわれ、我々の健康に影響を与える(シックハウス症候群など)ことが広く知られており、国も基準を設けて規制しているからです。


一条工務店の構造用木材に関しては、素人の私が調べた限りではそれ以上のことはわかりませんでした。


●フローリング
例えばi-smartでは、フローリングは4種類選べるそうです(以下参考記事、リンク失礼いたします)⬇️

オプションで朝日ウッドテック社の「ライブナチュラル」や「ライブナチュラルプレミアム」という無垢に似せた床材がオプションとして選択できるそうですが、もちろんこれは本当の無垢床とは本質的に異なり、「ライブナチュラルプレミアム」でも表面に天然無垢材を暑さ2mmで貼り付けているだけのいわば「無垢床のまがい物(失礼な言い方だけど、真実)」です。標準仕様である床暖房対応で、無垢床に対する憧れがある方へ向けてのオプション対応といったところでしょうけれど、本当の無垢床(暑さ15mm以上)の耐用年数や高級感・質感にはもちろん敵いません。


フローリングに関しても、私が調べた限りではそれ以上のこだわりというものは発見できませんでした。


・それ以外の資材に対するこだわり

一条工務店が今最も売り出している商品は、現在「電力革命」と銘打って登場させたオリジナルの大容量太陽光発電+蓄電池です。驚くべき破格の(安い)値段で施主に提供できる形になっており、これはおそらく他のハウスメーカーや工務店では不可能でしょうし、エコを謳っている他社の住宅メーカーからすれば驚異であると言えるでしょう。
また、これから電力の自給自足を目指し、光熱費をできる限りゼロに近づけたいと考えている私からしても、現在一条工務店の最大の長所であると思えます⬇️

この太陽光パネル+蓄電池に関しては、一条工務店の伝説的施主ブロガーであるさすけさんがこれまた詳細に記事にされているので、興味ある人は読んでみてください(またまた記事拝借失礼します)⬇️

これを読めば、一条工務店の太陽光パネル+蓄電池の凄さが一目瞭然でわかると思います。一条工務店でこれから家を建てる人は、この太陽光パネル+蓄電池を導入しない手はないと私には思えます。


以上が一条工務店の建材・資材に対するこだわりでした。
まとめると、やはり一条工務店のこだわりは家の性能に関することに集約されます。


強度の高いツーバイ工法しかり、高性能な断熱材(ウレタンフォーム)しかり、太陽光パネル(+蓄電池)しかり・・・。


ちなみに、一条工務店のこれらの住宅性能は、HRDというフィリピン工場の資材・建材の製造(80%以上)ラインに担保されています。実はこれは一条工務店の「公然の秘密」として営業マンや一条工務店の施主さんなどはみんな普通に知っていることです。
特にこれから一条工務店での建設を考えている方は深く知っておいて損はないと思います。HRDや一条工務店というハウスメーカーの仕組みについてより深く知りたい方は、ぜひ以下の記事をお読みください⬇️
http://www.monotsukuri.net/ichijou/ichijou_01.pdf

スウェーデンハウス

・建材として使用する木材に対するこだわり

以前の記事でも書いたように、スウェーデンハウスはトーモク(株)の連結子会社であり、建築資材としてトーモクヒュースAB(本社:スウェーデン)が製造する木材を使用しています(トーモクについては以下参照)⬇️

トーモクの木材へのこだわりですが、2016年7月にFSC/CoC(Chain of Custoday)認証を取得しています。この「FSC/CoC認証」とは、森林管理認証を受けた森林から収穫された木材を認証基準に従い適切に管理、加工していることを認証する制度で、認証マークは「責任ある森林管理」ができている企業の証です。
トーモクは貴重な森林資源の保護、地球環境負荷の低減に積極的に取組み、認証マークを付けた安全で安心な環境対応製品を製造・販売しています。


●構造用木材
スウェーデンハウスでは、木造枠組壁工法の一つである「木質パネル工法」を採用しています。この工法は、6面体の箱によるモノコック構造で床や天井、壁が一体化されており、面の力で建物を支えるため高い耐震性があります。構造上は一条工務店が採用しているツーバイ工法と似たようなものですが、壁・床・断熱材の施工、電気配線や建具などをあらかじめ工場生産したあとで現場に運びこみ、現地では部材を組み立てるだけの簡単な作業で済ませられるように手順化されている点が異なります。ツーバイ(2×4)工法と比べ、かなりの部分において大工さんの作業や手間を減らせるようにしたことから、作業効率の向上、品質の安定という面で、ツーバイ工法をさらに進化させた形が木質パネル工法であるといえるかもしれません。
さらに、外壁の枠組材に、通常の2×4材の38mm×89mmの縦枠に比べ、45mm×120mmという1.6倍もの断面積を持つ、高強度の構造材を使用しておられます⬇️

構造用合板も、9mmの厚さのものを使用しており、この構造用合板は床下地、外壁下地、内壁下地、天井下地、屋根下地などに使用されています。
ちなみに、スウェーデンハウスで使用されている構造用合板は、フィンランド産のものらしく、もちろん低ホルムアルデヒド(F☆☆☆☆)、強度は不明でしたが、接着剤の耐久性は特類です。
ただ、スウェーデンハウスの「木質パネル工法」は、フローリングを貼るのにも接着剤を使いまくりますから、やはりどうしても住み始めは家中に有機溶媒の匂いがしてしまうようです⬇️

また、スウェーデンハウスでは、構造材の含水率が15%以下に保たれており、JAS(日本農林規格)の基準である19%を大きく下回っています。つまり木材が十分な乾燥状態にあることで、住宅の高気密や高断熱が長期に渡って保たれるということになります⬇️


●フローリング
スウェーデンハウスの床はパイン材が使用されることが多いようです。
無垢フローリングだと家の雰囲気ともマッチする感じがするのではないかと思います。
壁面や天井にも天然のパイン材を使用する施主さんも多いようです。
しかし、無垢フローリングのメンテナンスが大変ということで、最近では「ライブナチュラル」などを採用する人も増えているようです。


・それ以外の資材に対するこだわり

スウェーデンハウスはやはり独特の北欧テイストのデザイン性こそが他社にはない特徴です。トーモクの連結会社である北洋交易株式会社でインテリア事業もスウェーデンハウスと連結して行っており、北欧諸国とのネットワークを活用し、北欧テイストの美しいデザインのファブリックや小物雑貨等も輸入・販売しています。
テキスタイルやブランケット、フィンランド製のフローリングなど様々なインテリア商品を提供しており、スウェーデンハウスの施主が頼めば素晴らしいトータルコーディネートをしてもらえるでしょう。


ただし、やはりそうするとそれなりにお金はかかると思いますが・・・。

小林住宅

・建材として使用する木材に対するこだわり

●構造用木材
小林住宅では、”Kurumu”という創建が推奨する工法(外断熱工法)で住宅を建設しており、「NK工法」という建て方を採用しています。この工法はベースは木造ですが、接合部に特殊な金物を用いることで、鉄骨造のような構造を成り立たせるものです。この工法のメリットは、柱や壁が少なくて済むわりに、高い耐震性を持つこと。そして、プレカット会社と構造計算事務所が一体となっているため、現場でのミスが少なくなるという利点もあります。
小林住宅の構造用木材は、標準で「ハイブリッドビーム」という中国木材株式会社の集成材を建築材として使用しています。これはベイマツと国産スギをサンドイッチしたもので、強度が高く(機械等級E95以上)価格が安いというのが大きな利点です。もちろんこの木材は低ホルムアルデヒド(F☆☆☆☆)です。
ハイブリッドビームを製造している中国木材(株)は、地産地消を謳い、地球環境にも気を使った石油燃料に頼らないやり方で木材を製造されているこだわりの強い会社です⬇️


しかしながら、ハイブリッドビームという集成材は、人工乾燥させた木材を使用しているため天然乾燥材に比べて耐久性・調湿性・断熱性が低いこと、辺材で柔らかいためシロアリに脆弱なことが欠点として挙げられます(なお、これはほとんどの集成材に言えることです)。
また、集成材ですから合板と同様に接着剤が使用されていますので、低ホルムアルデヒドであったとしても、やはり接着剤が揮発し、IAQ(Indoor Air Quality:室内空気品質)を損ない、我々の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ちなみに、ハイブリッドビームには接着剤として「イソシアネート」が使用されていますが、極少量でも皮膚や気管支粘膜から吸収され、人体に有害な作用を及ぼすことが以前から指摘されています⬇️
http://www.asahikawa-med.ac.jp/dept/mc/healthy/jsce/jjce21_1_82.pdf


●フローリング
無垢床を使ったりされていますが、そのクオリティに関してはよくわかりませんでした(調査不足ですみません)。

・それ以外の資材に対するこだわり

小林住宅に関しては、他社にはないこだわりというのはあまり見つけられませんでした(調査不足ですみません)。強いていうならやはりKurumuによる外断熱工法により気密性・断熱性を高めていることでしょうか。
それ以外はこだわりがある部分もあるとは思いますが、施主さんのブログなどを読んでいると多分やってもらいたい事を言えば(お金さえ出せば)、自由になんでもさせてくれそうな感じはあります。

ウェルネストホーム

・建材として使用する木材に対するこだわり


●構造用木材
ウェルネストホームでは、構造用木材に関しては天然乾燥木材:AD(Air Dry)材」へのこだわりがあります。
天然乾燥木材(=AD材)と、人工乾燥木材(=KD材)の違いについては、以下の記事を参考にしてください⬇️


例えば、ウェルネストホーム九州では、「多良木プレカット協同組合」を通じた100%国産材かつ天然乾燥材にこだわった建材を使用しています⬇️

「多良木プレカット協同組合」とは、「SGEC森林認証の家」を普及させる木造住宅の建設を業とする組合員で構成される事業組合として、住宅に必要な木材や建材を供給するため、平成24年2月に設立された組合です。HPを見てもらえればそのこだわりの片鱗が垣間見られます⬇️

ちなみに、「SGEC(Sustainable Green Ecosystem Council)森林認証制度」とは、森林が適正に管理されていることを、中立的な第三者が客観的に評価し、社会に対してその価値を認定する制度です⬇️

これは木材の産地を証明することが可能になったという事です。
これこそが、ウェルネストホームの創業者早田代表のこだわりの一つである「トレーサビリティ(Trasability):追跡可能であることです。
すなわち、使用している木材が、「どこで、誰が、どのように」採取し製造したかがわかるという「顔の見える家づくり」をしているということです。
これは、HRDというフィリピン工場でほとんどの建材・資材を作っており、「顔の見えない家づくり」をしている一条工務店とは対照的です。


また、このような産地が明確な木材を使用することにより、”ウッドマイルズ(木造の輸送距離)”でも高い評価が得られます。
「地産地消」の地元の山から取れた木材を使用した住まいづくりは、環境負荷が少ない(=環境にやさしい)ということにつながるのです。地域材を多く使用する住まいは、木材の輸送過程で排出されるCO2を大幅に削減でき、地球環境保全にもつながるという事です。


ところで、なぜウェルネストホームは人工乾燥材(KD材)ではなく天然乾燥材(AD材)にそこまでこだわっているのでしょうか??
それはもちろん、天然乾燥材(AD材)の方が圧倒的に長持ちし、調湿性能に優れているからです!!
それではなぜそのようなAD材ではなく、ほとんどの他のハウスメーカーは人工乾燥材や人口乾燥させた集成材などを使用しているのか・・・?
これは、皆さん方自身で考えていただきたいと思います。


そして、ウェルネストホームでは在来工法(木造軸組工法)により住宅を建設していますが、一般的には耐震性が高いとされているツーバイ工法よりも耐久性のある建て方をされているように個人的には思います。


例えば、もちろんウェルネストホームでは、建築木材として上記の天然乾燥材を使用していますが、この天然乾燥材にACQという薬剤を加圧注入した「緑の柱」(コシイプレザービング社)を1階部分の柱すべてに使用しています(以前の記事参照)。
これにより天然乾燥材を腐敗やシロアリ被害から守ることができ、住宅の耐久性を飛躍的に高めています。
さらに、耐力面材として地震に強く、吸放湿性能の高い「モイス」を使用しています。このモイスを使用した通気層のない形の壁は、ウェルネストホームだからこそできることで、一般的にサイディングで外壁を作っている住宅では通気層を設けないと結露してしまうため、不可能です。


●フローリング
ウェルネストでは、フローリングに関しては天然無垢材へのこだわりがあります。


何といっても、無垢の床材にはぬくもりがあるというのが最大の長所です。


また、無垢フローリングは、耐久性が高く長持ちします。最低30年~50年、きちんとメンテナンスすると100年以上ももつそうです。これが本当なら下手をすれば親子3代にわたって使えるほど長持ちする素材ということになります。
さらに、ランニングコストがほとんどかからないというメリットがあります。合板フローリングは表面に張ってある薄い木やプリントした紙などが剥がれたら、素人では簡単に補修できませんし、プロに頼むと一箇所あたり数万円もの補修費がかかります。一方、無垢フローリングは、芯まで本物の木で出来ているので、素人でも自分で削ったり塗装したりと簡単にメンテナンスができます。
「合板フローリングの方がメンテナンス性に優れている」と考えている方も多くいらっしゃるかと思いますが、それは短期的な視点で見たときの話です。長期的な目で見れば、メンテナンスが大変で高価な合板フローリングでなく、無垢フローリングの方が優れていると言えるでしょう。


ウェルネストホームの無垢材の凄さは、それだけには止まりません。
ウェルネストホームがメインで無垢フローリングとして採用しているのは、なんとデンマーク産樹齢200年のヨーロピアンオーク(FSC認証林由来)です。しかも、幅広長尺一枚フローリングとして使用しており、樹齢の浅い木材を継ぎ足して作る「ユニ加工」のものとは、レベルが違います。
さらに、ウェルネストホームは持続可能性の高い社会を目指しており、環境保護を考えて良い物を長く使うことを基本理念としています。そのため、原材料となる木材のトレーサビリティだけでなく、製造する工場の条件にもこだわりを持って選ばれています。
ウェルネストホームが使用している無垢材についてさらに詳細を知りたい方は以下の記事を参考にしてください⬇️


・それ以外の資材に対するこだわり
ウェルネストホームのこだわりは多すぎてここでは書ききれませんので、一つずつ記事にして徐々に書いていこうと思います。


しかし、やはり一条工務店と同様「家の性能」に関わる部分で他社にはないこだわりを多く持っています。そしてそれは、一条工務店が全面に押し出しているようなこだわりとは一味もふた味も異なります。


一条工務店が「家の性能」に関してあげているこだわりは、どちらかと言えば自社工場(HRD)で一括管理できる「表面的な部分」でのこだわりで、アピールしやすく、素人でも一目でわかるようなものです。
一方で、ウェルネストホームの「家の性能」に関するこだわりは、地道な努力によって得られる「細かい見えない(見えづらい)部分」でのこだわりが多いため、アピールしにくい、というかアピールしても伝わらない(わかってもらえない)ものです。


例えば、一条工務店が自社開発の床暖房・太陽光パネル(+蓄電池)といった「わかりやすい」家の性能をHPや展示場でアピールしているのに対し、ウェルネストホームは気密性を高めるためのノウハウや調湿性の高い資材・建材こそが大きな長所であり他社にはないこだわりですが、それをアピールしたところで建築の素人(だけではなくプロも)にはわかりません。


また、先ほど無垢材のところでも述べましたが、ウェルネストホームは持続可能性(サステナビリティ)追跡可能性(トレーサビリティ)にも相当なこだわりを持っているハウスメーカーです。


「今だけ、金だけ、自分だけ」という住宅づくりをしているハウスメーカーが多い中で、このようなこだわりを持ったハウスメーカーはやはり稀有な存在だと言えるでしょう。


今後はそのような「わかりにくい」ウェルネストホームのこだわりをできればわかりやすく書いていきたい、と思っています。


今回はまた長くなったので、このくらいで終わっておきます。

【ハウスメーカー比較】その④:外装・内装

こんにちは、チリです。



さて、今回も前回に引き続きウェルネストホームと一条工務店・スウェーデンハウス・小林住宅という3つのハウスメーカーとの比較記事を書いていこうと思います。


以前の記事でも申し上げましたが、このような比較記事を書く主な目的は、他の性能の高さをウリに住宅販売しているハウスメーカーと比較することで、まだまだマイナーなウェルネストホームというハウスメーカーの性能の高さを多くの人に知ってもらいたいということと、これから家づくりを始める方にどんな基準でハウスメーカーを選べば良いかいついて、この比較記事を読むことで参考にしてもらいたいということです。


ハウスメーカーの営業担当者は決して自分の会社の都合の悪いことは言いません(そのように教育されている)から、私のような利害関係のない第三者が書く情報をぜひ参考にしてもらいたいと思っています。


ちなみに、これらのハウスメーカーとウェルネストホームとで、私が徹底比較したポイントは以下の5点です。


1.家の性能(主に気密性・断熱性)
2.換気システム
3.防蟻対策
4.外装・内装(間取りも含めて)の自由度
5.資材・建材へのこだわり


前回は3つ目の「防蟻対策」について、かなり詳しく比較してみました。
今回は比較シリーズ第4弾、4つ目の「外装・内装の自由度」からみていきたいと思います。

4.外装・内装の自由度

これは要するに、「設計の自由度はどうなのか」ということです。

一条工務店

一条工務店は、数ある大手ハウスメーカーの中でも設計の自由度が高い方ではないと思われます。


俗に言う「一条ルール」なるものがあるほどで、下記の6つのシリーズ毎に定められた規格・制限というものが存在し、あまりにもその制限が多岐にわたるため、一条の設計さんや営業さんでも把握し切れていないほどだそうです。
以下に一条工務店のシリーズの違い(コンセプト)を述べておきます(以下一条工務店公式HPより)。

・i-smart

「Smart for Design」
心から癒される住空間であるために。外壁や窓などのエクステリアから、キッチンなどの設備、ドアやフローリングなどのインテリアまで、住まいの隅々まで美しさと機能性の両立にこだわりました。業界最高レベルの快適性能に機能美をプラスしたスマートデザイン住宅。それが「アイ・スマート」です。

・i-cube

「シンプルモダンでかしこく省エネ」
キューブ型の外観デザインに、白を基調とした明るくスマートなインテリアが映える「i-cube」のシンプルモダンな家。業界トップレベルのエコ性能で上手に省エネ、かしこく節約してくれます。高性能でも、コストを抑えて建てられるから、いろんな夢が叶えられる住宅です。

・SAISON(セゾン)A type

「明るくカジュアルな欧風モダン」
スタイリッシュなのに、どこか温かさが感じられる「セゾンA」の住まいは、明るくカジュアルなヨーロピアンデザインが魅力。ナチュラル感のある素材でコーディネイトされたインテリアは、モダンな空間の演出にぴったりです。

・SAISON(セゾン)

「格調高いヨーロピアンスタイル」
無垢材をふんだんに使った上質な室内空間と、レンガタイル貼りの落ち着いた佇まい。一条の洋館「セゾン」は、格調高いヨーロピアンスタイルのデザインと素材にこだわった、本物志向の本格木造注文住宅です。重厚な雰囲気と木のぬくもりに包まれて、長く住むほどに満足感が深まります。

・Brillart(ブリアール)

「青空と太陽が似合う、南欧風の家」
ブラウン色のオールドテラコッタの瓦屋根に、白・黄色・ベージュ・オレンジなどの組み合わせでデザインされた外観が、プロバンスを思わせる南欧風の家「ブリアール」。木製デッキのアウトドアリビングや、バーベキューを楽しめる庭なども備えて、家族の明るい笑い声がよく似合う住まいです。

・百年

「和の伝統美と先進技術が融け合う」
床の間や雪見障子などのある本格的な和風住宅から、現代風にアレンジした和モダン住宅まで、日本の伝統美を活かした和の住まいを実現する「百年」の家。
伝統的なデザインと先進的なテクノロジーが融合して、風格ある佇まいの中に高い機能性を持たせました。時を経ても色あせない、年輪を楽しめる家です。


以上の6つが現在一条工務店で取り扱われているシリーズになります。


この中でたとえば、「i-Smart」というシリーズ(一条工務店の看板商品)では、下記のような一条ルールがあるそうです(以下記事参考)。


・窓の下にはコンセントは設置できない
・ロスガードは1階に設置できない
・室内側の窓枠は白、和室の窓枠は木目のみ
・照明を設置できない壁あり
・耐力壁の細かなルール


などなど。しかもこれはごく一部で、他にも山のような制限が設けられているそうです。

この中には、一条工務店の目指す性能の高い家づくりとはあまり関係ない制限などもあり、こだわりの強い顧客としては、細かい「一条ルール」は少し煩わしいと感じるかもしれません。


また、一条工務店施主ブロガーの方も「間取りの自由が利きにくい」ということを書かれているのを目にします(以下記事参照)。

ただし、これに関してはこの記事でも書かれている通り、「耐震性」などの家の性能を保つために間取りに制限がかかっている部分が大きく、これは家の性能を第一に考えている人にとっては許容できるものであると思います。


しかしながら、一条工務店の自由度が少し低いかも、と思ってしまう最大のポイントは、自分の気に入った住宅設備があった場合でも、一条工務店オリジナルの住宅設備以外は選べないという点です。
この点に関しては、一条工務店の施主で伝説的ブロガーであるさすけさんも言及されているので、気になる方は以下記事を参考にしてみてください⬇️

通常、ハウスメーカーや工務店で家を建てる場合には、キッチン、カップボード、洗面所、浴室、トイレなどの内装は、標準仕様が決まっている部分はあれど、大抵の場合各種メーカーから販売されている多数のキッチンや浴室のタイプから自分の気に入ったものを選択して取り付けてもらうことができます。システムキッチンやシステムバスであった場合、オプションでグレードアップも可能です。


しかし、一条工務店ではそのほとんどが一条工務店オリジナル品からしか選択することができません。オプションもかなり限定されたオプションからしか選べません。これはキッチンや浴室などにこだわりたい人からすれば、大きなデメリットです。


例えばi-smartであれば、標準仕様で外壁タイル、キッチン(スマートキッチン)、カップボード、浴室(スマートバス)、洗面台(リュクスドレッサー)、洋室・和室の仕様(ドアやフローリングや畳など)、階段、収納、などは全て一条工務店オリジナルの製品から選ばなければなりません(以下参考記事)。トイレや玄関まわりも仕様がほとんど決まっており、他社メーカーのものを自由に選ぶことはできません。

先ほどのさすけさんの記事でも取り上げられていましたが、もちろん希望すれば別の住設メーカーの仕様にすることもできるとのことですが、そのような仕様にすれば全てがオプション扱いになりかなり高くなるため、する人はほぼ皆無だということです。
すなわち、内装にこだわりがある人ほど、好きな仕様にすることができず妥協を強いられることになる可能性が高い、ということかもしれません。


これは自社グループの工場(フィリピン工場)で部品の80%を生産・組み立てをしているため、仕方ないといえば仕方ないことですが・・・。


以上が一条工務店の「内装」についてでしたが、一条工務店の「外装(外観)」に関しては、さらに制限がかかっているような気がします。
というのも、一条こだわりのハイドロテクトタイルの外観は白を基調としており、見た目には爽やかですが、どこの住宅もシリーズが同じなら似たような外観になる可能性が高いようです。実際に、私の今の自宅の近くや街中でも、外観から一条工務店の家だとわかることが多いです。
すなわち、外観デザインが単調で似たような外観になりやすいということでもあり、これは外観にこだわりの強いオンリーワンを求めたい人からすれば、極めて大きなマイナスポイントになるかもしれません。


これは過去に一条工務店で建てた施主さんも言及されています(拝借失礼します)⬇️

また、外観デザインが単調なことを一条工務店を止める理由の一つに挙げている方もいらっしゃるようです⬇️
https://www.to-ichi.online/entry/2018/10/13/一条工務店で家を建てない理由~私が感じたデメ


まとめると、一条工務店は内装も外装も仕様がある程度決まっており、人によっては単調に思えてしまうということです。


しかし、おそらく一条工務店を選ばれる方は、外装や内装の自由度よりも、一条工務店の家の性能に惹かれて選ばれているはずですから、妥協できるポイントではあるかもしれません。圧倒的な一条工務店の性能とその性能を前面に押し出した営業手法(AIDMAプロセス)はやはり多くの人を心をワシ掴みにしていると思います。


いずれにせよ、最初に書いたように一条工務店は数あるハウスメーカーの中でも設計の自由度は低い部類に入るのかな、という気がします。

スウェーデンハウス

私は個人的には、今回比較した4つのハウスメーカーの中では、スウェーデンハウスの外観や内装の雰囲気・仕様が最も好きです。


特に、あの北欧テイストの木造建築でカフェテリアのようなおしゃれな外観や、木の笠木とすり子の階段やオリジナルキッチンの雰囲気が、私はダントツでそそられます。
スウェーデンハウスのどの写真を見ても、「おしゃれだなあ、こんな家に住みたいなあ」としみじみ思ってしまいます。


ここで、スウェーデンハウスが展開している住宅シリーズについて見ておきましょう(以下スウェーデンハウス公式HPより)。


・GRAN(グラン)

<グラン>とはスウェーデン語で樅(もみ)。
不必要に飾り立てず、シンプルでありながら、がっしりと大地に根をおろすその姿が安らぎをもたらします。堅牢な住まい<GRAN>は、スウェーデンハウスの住哲学をもっとも忠実に伝えるプランです。

・ALM(アルム)

<アルム>とはスウェーデン語で楡(にれ)。
のびやかに天をつくダイナミックな大屋根のフォルムが、街並みにひときわ新鮮な印象を与えます。伝統のスウェーデンスタイル<ALM>は、個性を大切にし、変化に富んだ空間を叶えるプランです。

・BJORK(ビヨルク)

<ビヨルク>とはスウェーデン語で樺(かば)。
ゆとりある敷地に広がる平屋の佇まいは、しばしば「理想の住まい」と称されます。スウェーデンの人々をも魅了し続ける<ビヨルク>は、四季折々の草木の変化をもっとも身近に感じるプランです。


以上がスウェーデンハウスの(HPで紹介されている)住宅シリーズです。


どれも本当にオシャレで格好いいと思います!!


しかしながら、私からすればスウェーデンハウスの最大の長所と思える個性的な外観や内装などが欠点になる場合もあるようです。


良くも悪くもスウェーデンハウスの北欧テイストで個性的な外観は、個人の好みもあるでしょうし、建てる場所・地域によっては、他の住宅からも浮いて見えてしまうことも考えられます。


特に、上記シリーズの中でもアルムというシリーズは大屋根が特徴的で、遠くからでもすぐにわかるほどの存在感があります(以下画像参照)。

オシャレですね〜!!


しかし、このような北欧テイストの外観は、やはり似たような建物の多い北欧でこそ映えるというもの。建てる場所によっては、日本で建てられている他の多くの建物や周囲の風景ともマッチせず、建物だけが浮いて見えてしまう可能性があります。


また、この独特の外観に伴って、外構や内装にもかなり制限が出てきそうです。


まさか外構や内装を和風になどできないでしょうし、ある程度外観に合わせたコーディネートをする必要が出てきそうです。


そうなると外構や内装にもかなりこだわらざるを得ないことになり、スウェーデンハウス最大のデメリットである高額なこと(坪単価が高い)だけでなく、外構や家具やカーテンなどにも余計にお金がかかってくる可能性があります。
実際にそのことをスウェーデンハウスのデメリットとして指摘している施主さんもおられます(以下記事参照、拝借失礼いたします)。


さらに、窓に関しては自社製の木製窓が標準で決められており、選択の余地がないのですが、スウェーデンハウスの外観ともマッチしており、意匠性を考えれば他の窓を選べないことに不満を述べる施主さんはまずいないものと思われます⬇️
スウェーデンハウスでは他にも階段や玄関ドアや建具に関しても選択できないことが多いようですが、意匠性を考えれば仕方のないことでしょう。


このように、スウェーデンハウスは北欧テイストな独特の外観をしているため、自然と外構や内装もそれに合わせたものを揃えていく必要が出てくるので、自由度としてはどうしても低くなってしまいます。


しかし、それ以外の設計の自由度は他のハウスメーカーに比べてあまり変わらないと思います。トイレも風呂もキッチンも(もちろん標準仕様は定められていますが)、他社住設メーカーのものを自分で自由に決めることができます。


ですから、その外観や内装の雰囲気が気に入っている人であれば、あまりスウェーデンハウスの自由度の低さは気にならないと言えるでしょう。むしろそのような人にとっては、高性能で意匠性の高いオシャレな家に住めるという喜びの方が大きいと思われます。

小林住宅

小林住宅では標準仕様の外断熱シリーズで一番人気のSシリーズと、低価格帯のHシリーズ、そしてダブル断熱のWシリーズの3つがあります。


3つともおそらく外装・内装の設備設計の自由度はかなり高いと思われます。


SシリーズとWシリーズは標準仕様で耐震等級3であり、窓はエクセルシャノンのトリプル樹脂サッシ、さらに気密測定もやっており、設計間取りの制約はそれ相応にかかってくると思われますが、それは今回比較したハウスメーカーはいずれも同様の制限はかかってくるものと思われ・・・。


この自由度の高さから、私たち夫婦は「ウェルネストホーム以外で建てるなら、小林住宅やな」という話までしていたほどでした(実際妻はイニシャルコストの面から小林住宅に傾いていました)。


もし私が小林住宅で建てていれば、間違いなくダブル断熱のWシリーズを選択し、できれば外壁はタイル張り(LIXIL?)、床は無垢のフローリング、キッチン・トイレ・風呂などの水回りのグレードアップをした上で神谷のフルハイトドアを使用した家に仕上げていたと思います。
ただし、そうなってくるとやはりコスト面でかなりの増額になり、おそらく建物だけでウェルネストホームと同等かもしかしたらそれ以上の坪単価になりそうな気もします(実際にはわかりませんが・・・)。


しかしながら、以前の記事にも書かせていただきましたが、もし私がウェルネストホームの存在を知らなければ、断熱性能ではピカイチだけれど気密性能で劣る一条工務店ではなく、気密性能と断熱性能でバランスが取れており、なおかつ設計の自由度の高い小林住宅を選んでいたでしょう。


詳細に関してはわかりませんが、おそらく設計の自由度で言えば、ウェルネストホームよりも優っていると思われます。

ウェルネストホーム

今回比較した他社とは異なり、シリーズ展開などはありませんが、標準仕様の断熱材や断熱工法(外壁にロックウール社のレッドアートなど)があり、窓も標準は内付けのトリプル樹脂サッシで、かつ耐震性にも設計の段階からかなり気を使っているハウスメーカーなので、間取りの自由度は低い方だと思います。


実際に私たちも設計打ち合わせの段階で希望する間取りの提案をした時に「それはできるか構造計算してみないとわかりません」と返答されることが何度かありました。


しかしながら、家の性能とは関係のない部分での外装や内装の自由度としてはかなり高いと感じています。外壁もアルセコからレッドアートに変更されてからはタイル張りもできるようになり、レンガなど意匠性の高い外壁タイルを選択することが可能となりました。


もちろん小林住宅やスウェーデンハウスと同様に、キッチン・浴室・洗面台・トイレも各種住設メーカーから標準仕様品を選択することもできますし、オプションでグレードアップすることもできます。
さらに、家の性能に関わらなければ、キッチンや浴室を造作(オーダーメイド)に変更することも可能です。




以上、各ハウスメーカーの「外装・内装の自由度」すなわち設計の自由度についてみてきました。


ここで設計の自由度について順位をつけるとしたら、以下のようになるでしょうか??


小林住宅 > ウェルネストホーム > スウェーデンハウス >> 一条工務店


スウェーデンハウスの自由度の低さはあの意匠性の高い外観のことを考えると全然許せるレベルですが、やはり一条工務店の「一条オリジナル製品」しか選べない、というのは辛い・・・。


ですので、私の中では一条工務店の自由度の低さはダントツです。



いかがだったでしょうか??


今回は短くするつもりでしたが、結局長くなってしまったのでここまでにします。